2018年12月31日(月)、WBA世界ライト・フライ級タイトルマッチ
ヘッキー・ブドラー(南アフリカ) vs 京口 紘人(ワタナベ)の試合が行われます。
会場はウィンパレス・コタイ(中国、マカオ)
この試合の模様はTBS系列で放送される『平成最後の大晦日スペシャル!SASUKE2018&ボクシング井岡一翔世界タイトルマッチ(仮)』(午後6時~11時55分)にて全国に生中継されます。
また同イベントでは、WBO世界スーパーフライ級王座決定戦の井岡一翔vsドニー・ニエテスの試合も行われる予定となっています。
試合結果
〇京口 紘人(ワタナベ) TKO(10R終了後ブドラー棄権) ヘッキー・ブドラー(南アフリカ)×
※98-92、96-94、97-93
序盤から京口選手の左ボディーと左アッパーが冴えわたりました。
しぶとく食い下がるブドラーの反撃にも手を止めず、中盤には意地のボディーの打ち合い合戦も。
ブドラーの動きが落ち始めた後半も攻撃の手を緩めない京口選手は、遠い距離からの強烈なワンツーもヒットさせるなど、試合は一方的な展開に。
たまらず10ラウンド終了後にブドラーが棄権を申し出て試合は終了。
10ラウンドTKO、京口選手が快勝し、WBAスーパー世界ライト・フライ級新チャンピオンになりました。
Hiroto Kyoguchi tried to hit Hekkie Budler with the Shoryuken pic.twitter.com/CMHrNwYLdT
— Ryan Songalia (@ryansongalia) 2018年12月31日
試合後のコメント
京口 紘人選手のコメント
>試合結果について
「初めて世界王者になったとき、いずれは2階級が目標になると思っていた。それが実現できてうれしい。試合内容はぎりぎりの合格点。勝ててよかった」
「倒し切りたかったけど、スーパー王者の心を折ってストップできたのは自信になる」
>KOを急がなかったが
「(再三の左ボディーや右ストレートで圧倒も)まだ相手のパンチが生きている(と試合中判断し)迫力には欠けたけど、弱らせる作戦を遂行できた」
>来年の抱負は?
「去年に続いて王者で年を越せるのはうれしい。来年は力をもっとつけて、ビッグマッチを闘いたい」
>来年は拳四朗選手との統一戦も?
「向こうは5回も防衛しているけど、僕は今日でやっと肩を並べた新米チャンピオン」「いずれは」
(スポニチ、サンスポ)
ヘッキー・ブドラー選手のコメント
「京口はフィジカルが強かった。パンチをもらい息が上がってしまった。たくさんもらってしまったため、チームで決めて試合を止めた。」
(スポニチ)
[2018-12-30]前日計量の結果 ※ライトフライ級リミット108lbs(49.0kg)
両者ともにリミット以下で計量パス
ヘッキー・ブドラー | 106.70 lbs(48.4 kg) |
---|---|
京口 紘人 | 107.58 lbs(48.8 kg) |
※1kg=2.20462ポンド、1ポンド=0.453592kg
京口が計量パス、選ばれた人間のみ立てる豪勢リング(日刊スポーツ)
— 京口紘人 Hiroto Kyoguchi 大晦日二階級制覇挑戦 inマカオ (@HirotoK1127) 2018年12月30日
この試合のオッズ
ヘッキー・ブドラー | 京口 紘人 | 引分け |
---|---|---|
2.2 | 1.66 | 21.0 |
参照:betfair.com
意外にもというべきか、この階級で安定した結果を残しているブドラーを抑え、京口選手の人気が若干上回っています。
ボクシングのオッズの表記法【代表的な3つを解説】
よくボクシングニュースで海外での試合のオッズが発表されることがありますよね。 「オッズ 11対2でA選手有利」とか、 「B選手につけられたオッズは1.62倍」といったように。 今回はこのオッズの見方を ...
ヘッキー・ブドラー選手のコメント
[2018-12-29]予備検診後
京口選手は前回破った田口選手のリベンジを狙っているというが
「キョウグチがリベンジを狙っていることは知っているけど、自分は好きなボクシングをして、ファンを楽しませたいだけだ。」
減量は順調だった?
「アマチュア時代は苦労したけど、プロになってからは苦しんだ覚えはないね。」
「今回ももうアンダー(ライトフライ級リミットの48・9キロ以下)。普段から51キロ、増えても52キロにはいかないようコントロールしている。」
京口選手について
「キョウグチはとてもスピーディーないい選手。KO? 勝てればどっちでもいいよ。」
(日刊スポーツ)
Team @HotBoxGym @colnomakanjani @BudlerRoxy @Thebemed @boksburgdentdoctor @intveldtwins @JADEDINKZA @bigsave #31Dec2018 #macauchina pic.twitter.com/5EDZTZrpR0
— Hekkie Budler (@BudlerHekkie) 2018年12月29日
[2018-12-29]リングマガジンのインタビューに答えて
「ハードなファイトになると思う。面白い試合になるはずだ。
(京口は)負け知らずで若く、注目されている選手だ。
この階級ではハードなパンチを持っている。そして早い。
内に外にいい動きをする。
肉体的にも強く、だから常に前に出てくる。
彼が何をしてきてもいいように、多くのハードなトレーニングを積んてできた。
自分のしてきたトレーニングに自信がある。誰でも倒せるよ。
間違いない人々に囲まれて、間違いのない準備ができた。」
(sowetanlive.co.za)
京口 紘人選手のコメント
[2018-12-29]予備検診後
検診の結果、リーチがブドラーより9センチ短い155センチに大幅ダウンとなったが
「でたらめすぎて、笑っちゃいました」
「リーチが9センチも短いなんて。(2センチ減った)胸囲も、何か腰に近いとこで測ってるし。まあ数字で試合するわけじゃないんで。調整は(階級を上げたことで)今までで1番いいと思いますから」
1年5カ月ぶりに挑戦者となるが
「久しぶりのチャレンジャー。やっぱり挑戦する方がワクワクします。初挑戦の時は、未体験で怖さがあったけど、今回はそれもないですから」
(日刊スポーツ)
なんと検診の結果、リーチが9cmも大幅ダウン。井岡選手もアローヨ戦時と比べて胸囲が88・4センチから83センチと5・4センチ、リーチが168・7センチから158センチといずれも大幅にダウンするなど不可解な結果となりました。
どういうことなんですかね。
[2018-12-24]マカオへ出発前の空港でのインタビュー
「自分は成長している。海外のリングで2階級制覇を実現して、男になってきたい」
(サンスポ)
[2018-12-17]ジムでの公開練習後
世界戦への意気込みは?
「新しいベルトが手に入る日が近づいている。わくわくする」
階級を上げたことについて
「(転級は)全てにおいてプラス。パワー、馬力がついたと思う」
ジムの先輩、田口良一から王座を奪ったブドラーとの対戦となるが
「敵討ちという気持ちはない。純粋に2階級制覇を懸けた闘いになる」
「パワーが上がったので、すべての面でブドラーを上回るボクシングをしたい」
戦略は
「ボディーを打たれれば、足が止まって打ち合わなければならなくなる」
(サンスポ)
[2018-12-13]拳四朗選手との公開スパーリングを終えて
「ライトフライ級の中で一番強いのが拳四朗選手。2階級制覇して、来年、同じチャンピオンとして闘いたい」
(サンスポ)
[2018-11-28]世界戦発表会見にて
大みそかに世界戦が決まって
「大みそかに、海外で2階級制覇がかかる世界戦ができるので、ほんとうにうれしい」
階級を上げた影響は?
「ミット打ちでパワーアップを実感している。自分にとって適正の階級」
ジムの先輩、田口良一選手のリベンジマッチとなるが
「あのベルトをジムに取り戻したいですね。先日、田口さんからも『ブドラーに勝てるよ』と言われました。自信を持ってマカオに行きたい」
(日刊スポーツ、サンスポ)「大みそかに、海外で2階級制覇がかかる世界戦ができるので、ほんとうにうれしい」
(日刊スポーツ)
試合の見どころ
今年5月に田口良一選手を破り、IBF・WBAスーパーの統一王者となったヘッキー・ブドラーが初防衛戦を迎えます。
※ブドラーはIBFタイトルは放棄しており、10月に王座決定戦でニカラグアのフェリックス・アルバラードがフィリピンのランディ・ペタルコリンを7ラウンドKOで新王者となっています。ちなみに京口選手はIBFでもランキング4位につけています。
挑戦者はL・フライ級に階級を上げた元IBF世界ミニマム級王者の京口紘人選手。
9月に行われたライト・フライ級初戦では世界ランカーのインドネシア人選手チボ・モナベサを4ラウンドKOで破り、現在WBAランキング1位につけています。
身長・リーチともに両者の体格差はあまりありません。
チャンピオンのブドラーの強みは何といっても豊富な経験ですね。
4大団体の世界戦だけでも9戦を行い、ラウンド数では288ラウンドの経験があります。
京口選手の61ラウンドと比べて、実に4倍以上の経験があります。
ロマチェンコのようにディフェンスから攻撃への流れがスムーズで、田口戦でも巧みなフットワークと絶え間のない細かいパンチで田口選手の猛攻をさばき、カウンターのボディーで徐々に相手を弱らせながら後半まで試合を優位に進めました。
対する京口選手の魅力は何といっても軽量級において73%のKO率の高さを誇るパンチ力ですね。
さすがに昨年からは世界トップクラスの選手との試合が増え、KO率こそ下がりましたが、左右のボディーに右ストレートと当たれば倒せるパンチを持っています。
階級を上げ更に威力を増したパワーパンチが当たればブドラーから初のKOを奪うこともできるかもしれません。
ただディフェンス面では被弾も多く、ブドラーのカウンターが脅威となるかもしれません。
試合巧者で攻防バランスの取れた王者ブドラーのベルトを、パワーパンチャーで勢いのある京口選手が日本に持って帰ることができるのか!?楽しみな試合です。
なお、京口選手が勝てば2階級制覇となります。
両選手プロフィール
ヘッキー・ブドラー 選手のプロフィール
- 名前:Hekkie Budler
- 出身地:南アフリカ
- 年齢:30歳
- ニックネーム:死刑執行人(The Hexecutioner)
- プロデビュー:2007年7月5日
- 身長:160cm
- リーチ:167cm
- 戦績:35戦、32勝(10KO)3敗(0KO)
- KO率:29%
- スタイル:オーソドックス
派手でポップな見た目ですが、ニックネームは死刑執行人なのは何故ですかね。
京口 紘人 選手のプロフィール
- 名前:Hiroto Kyoguchi
- 出身地:日本
- 年齢:24歳
- プロデビュー:2016年4月17日
- 身長:162cm
- リーチ:165cm
- 戦績:11戦、11勝(8KO)0敗(0KO)
- KO率:73%
- スタイル:オーソドックス
(※画像はBoxRecから引用)
ヘッキー・ブドラー選手の過去試合動画
[2018年12月31日] 直近の試合動画(IBF・WBAスーパー世界ライト・フライ級タイトルマッチ) vs 田口良一 戦
[2017年9月16日] IBF世界ライト・フライ級タイトルマッチ vs ミラン・メリンド 戦
京口 紘人選手の過去試合動画
ハイライト動画
[2017年12月31日] IBF世界ミニマム級タイトル初防衛戦 vs カルロス・ブイトラゴ 戦
2018年末ボクシング世界タイトルマッチまとめ
2018年末ボクシング世界タイトルマッチのまとめです。