2020年12月31日、WBO世界Sフライ級タイトルマッチ
井岡一翔(Ambition) vs 田中恒成(畑中)の試合が行われます。
会場は大田区総合体育館
この試合の模様は12月31日午後18時からTBS系列で全国に生中継されます。
試合の見どころ
日本人初の4階級王者で現WBOスーパー・フライ級王者の井岡一翔に、WBOランキング1位の3階級王者田中恒成が挑みます。
両者ともに2019年の大みそか以来、1年ぶりの試合。
井岡選手は2017年4月の試合を最後に一度引退し、1年半後の2018年9月に階級を上げて復帰してから今回がSフライ級で5試合目。
田中選手は今回がSフライ級初戦になります。にもかかわらずWBOが1位にランク付けし、指名挑戦者としたのは田中選手のこれまでの実績ゆえでしょう。プロ12戦目での3階級制覇は依然世界最速です。
両者ともオーソドックスで体格もほぼ互角。
井岡選手はSフライ級に上げてからは肉体改造とともに、より攻撃的な戦い方にスタイルチェンジしました。
パワフルなパリクテやトリッキーでしぶといアローヨに打ち勝ち、技巧派のニエテスとも互角以上の戦いを見せ世界的評価を高めています。
挑戦者の田中選手は手数が多く、素早いフットワークのスピードスターです。
攻撃偏重型のために時折、もろにパンチを受けてダウン経験も何度かありますが、これまで15戦無敗。9KOを飾っています。
長い準備期間となった1年の間に肉体改造も順調そうで、パワー負けすることもなさそうです。
全てのトレーニング終了。
最高な状態にしてきた。
最後は体重を落とすのみ。
あと5日。 pic.twitter.com/pAjMWFpnjA— 田中恒成/KOsei Tanaka (@KOsei530) December 26, 2020
ダウンといえば井岡選手も復帰前の試合では意外なほどショートレンジでタイミングよくパンチをもらってダウンすることがぽつぽつありましたが、スタイルチェンジした復帰後の4戦はディフェンス面では万全。
パワーヒッターのパリクテを完封し、ニエテスとのハイレベルな打ち合いでも危険な場面は作らせませんでした。
そして二人の年齢は6歳差。思い起こされるのは2012年6月に行われた八重樫東vs井岡一翔のWBC/WBA世界ミニマム級統一戦。
若く勢いに乗る王者井岡とベテラン王者八重樫の対決は日本人初の世界統一戦でした。
奇しくも当時の二人も6歳差。
今回はベテラン王者の井岡が勢いに乗っている若い田中の挑戦を迎え撃つ立場です。
井岡選手が勝てば来年3月に行われるロマゴン vs エストラーダ戦の勝者との統一戦が現実味を帯びてきます。
一方の田中選手も海外での実績もある井岡選手に勝てば、海外のビッグプロモーターとの契約や海外でのビッグマッチ実現への足掛かりをつかむことができるでしょう。
二人にとってターニングポイントとなる大事な試合。
手数とスピードで勝る田中が隙の無い井岡をどう切り崩すのか。
あるいは、経験で勝る万能型のチャンピオン井岡が、素早い田中をどう追い詰め捉えるのか。
ヒリヒリする一戦となりそうです!
両選手プロフィール
井岡 一翔
- 名前:Kazuto Ioka
- 出身地:日本
- 年齢:31歳
- プロデビュー:2009年4月12日
- 身長:164cm
- リーチ:167cm
- 戦績:27戦、25勝(14KO)2敗(0KO)
- KO率:51.85%
- スタンス:オーソドックス
田中 恒成
- 名前:Kosei Tanaka
- 出身地:日本
- 年齢:25歳
- プロデビュー:2013年11月10日
- 身長:164cm
- リーチ:164cm
- 戦績:15戦、15勝(9KO)0敗(0KO)
- KO率:60%
- スタンス:オーソドックス
(※画像はBoxRecから引用)
井岡一翔選手のコメント
「レベル、格の違いを見せられる。ボクシングスタイルとか、彼(田中)とは持っているもの、本質的なものが違う」
「(同日試合をする比嘉大吾と100R以上のスパーリングを重ね)自信は確信に変わった」
(日刊スポーツ)
田中恒成選手のコメント
「(井岡について)ここ10年、日本のボクシング界を引っ張ってきた印象」
「今は(井岡が)王者で4階級制覇していて格上かもしれないが、勝てば自分が王者で4階級制覇で同じになる。直接戦ったら、俺の方が強いと思います」
「自分にとっては階級を含めて、この階級が一番力を出せると思っている。世代交代というか、文句のつけようのない、KOで決着をつけたい」
(日刊スポーツ)
井岡一翔選手の過去試合動画
[2018年12月31日] 直近の試合動画(WBOスーパー・フライ級タイトルマッチ) vs ドニー・ニエテス戦(最初の4階級制覇挑戦)
<h2田中恒成選手の過去試合動画
[2019年3月16日] 直近の試合動画(WBOフライ級タイトルマッチ) vs 田口良一戦(フライ級タイトル初防衛戦)
終りに
技巧派のベテラン vs 若いスピードスター対決といえば、10月のロマチェンコvsロペス戦が記憶に新しいですが、あの試合ではロペスがクイックで強烈なアッパーを見せてロマチェンコに最後までペースをつかませませんでしたね。
田中選手のスピードに肉体改造でパワーが加われば、あの試合の再現も予想されますがどうなるでしょうか?