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2018年12月31日(月)、WBO世界スーパー・フライ級王座決定戦
井岡 一翔(K2プロモーションズ) vs ドニー・ニエテス(フィリピン)の試合が行われます。
会場はウィンパレス・コタイ(中国、マカオ)。
この試合の模様はTBS系列で全国に生中継されます。
同日の同イベントでは、京口紘人(きょうぐちひろと)選手がライト・フライ級で初となる世界挑戦で元統一王者のヘッキー・ブドラーに挑みます。
試合結果
〇ドニー・ニエテス(フィリピン) 判定2-1 井岡 一翔(K2プロモーションズ)×
※118-110、112-116、116-112
序盤は井岡選手のジャブやボディーが当たり、井岡選手優位の展開に見えました。
しかし、中盤にニエテスが思い切りのいいワンツーやカウンターパンチを何度かクリーンヒットさせると、警戒感を高めた井岡選手の手数が減って徐々にニエテスペースに。
ニエテスはここぞという時にパンチをまとめたり、カウンターを狙っている雰囲気を出して相手に手を出させずに休んだり、ベテランらしい試合巧者ぶりを発揮してポイントを譲らず僅差の判定勝ちを収めました。
ドニー・ニエテスがWBO世界スーパー・フライ級新チャンピオンとなり、4階級制覇を達成しました。
試合後のコメント
ドニー・ニエテス選手のコメント
>試合内容を振り返って
「途中で(井岡が)動くスタイルに変えていなければ、KOできていたよ」
>マニー・パッキャオに続く、フィリピン人2人目の4階級制覇を達成した
「自分もレガシーを作れて、とてもうれしいよ」
>今後は?
「井岡との再戦ではなく、ビッグネームの相手と戦いたい」
(日刊スポーツ)
井岡一翔選手のコメント
>敗戦を受けて
「自分の勝ちを信じて結果を待っていた。悔しいし、残念。終わってみたら、ああやればよかったという思いはある」
「応援してくれた方の期待に応えられなくて悔しい。きょうは僕の日ではなかった。倒し切れなかった僕が悪い。ここで闘っていくためには、踏ん張らないといけない」
「この負けを意味あるものにするために、これからも頑張っていきたい」
>4階級制覇は持ち越しとなったが
「こんなもんじゃない。闘志は逆に燃え上がった」
>今後は?
「今後も海外でやっていきたい。日本だけにいる世界王者にはなりたくない。無所属なんで自由にやりたい」
(サンスポ、2)
前日計量の結果 ※スーパーフライ級リミット115lbs(52.2kg)
両者ともにリミット以下で計量パス
井岡 一翔 | 114.41 lbs(51.9 kg) |
---|---|
ドニー・ニエテス | 112.65 lbs(51.1 kg) |
※1kg=2.20462ポンド、1ポンド=0.453592kg
Photos: Donnie Nietes, Kazuto Ioka - Ready For World Title War https://t.co/k8VU0sJLUR pic.twitter.com/6Aw50VQAnQ
— BoxingScene.com (@boxingscene) 2018年12月30日
この試合のオッズ
引分け | ||
---|---|---|
1.8 | 1.9 | 21.0 |
参照:betfair.com
実力者同士、伯仲したオッズとなっています。
ボクシングのオッズの表記法【代表的な3つを解説】
よくボクシングニュースで海外での試合のオッズが発表されることがありますよね。 「オッズ 11対2でA選手有利」とか、 「B選手につけられたオッズは1.62倍」といったように。 今回はこのオッズの見方を ...
井岡 一翔選手のコメント
[2018-12-24]ringtv.comのインタビューに答えて
「前回の復帰1戦目は確認すべき多くのことがあった。今は自信をもって自分がキャリアを通じて最も強く早くスマートな状態だと言える。
アローヨ戦の後、2~3週間だけ休んだが、今回の戦いに向けて満足のいく準備ができている。
ドニー・ニエテスの事はとてもリスペクとしている。彼との試合が実現して光栄だ。試合は壮絶なものになるだろう。
異なるキャリアを築いてきたもの同士、4階級制覇をかけてマカオの地で戦うことは運命的なものを感じる。
日本人にとっても歴史的な試合となる。いまだ日本人で4階級制覇を果たしたボクサーはいない。
将来的には何人もの日本人ボクサーが同じような機会に臨むことになるかもしれないが。
ニエテスは手練れのベテランでスマートなボクサーだ。どう攻略すべきかは確かではないが、アローヨ戦同様、世界のボクシングファンが望むような試合をしたい。」
(ringtv.com)
[2018-12-13]公開練習後
試合への意気込みは?
「4階級制覇をして、また新たな歴史に名を刻みたい」
今の調子は?
「順調にきている。試合に向けて緊張感が高まってきた」
対戦相手のニエテスについて
「リードパンチで崩すのが理想だが、それだけではペースを握れない。変化をつけたパンチが大事になる」
「簡単な相手ではない。スマートで頭のいいボクサー。1ラウンドから自分のペースで優位に試合を進めたい」
大みそかの試合は2年ぶりとなるが
「盛り上がる試合をしたい。簡単ではないが、勝ちたい」
(日刊スポーツ、2)
[2018-11-11]世界戦発表会見にて
「大みそかに世界戦をやらせてもらうのは特別なこと。結果、内容にこだわって。簡単に言えば、KOできる勝ち方をしたい」
「2018年は人生の中でもいろいろあった激動の1年。最後に4階級制覇をかけた試合ができて、最高の締めくくりをしたい」
(日刊スポーツ)
ドニー・ニエテス選手のコメント
[2018-12-25]マカオの空港到着直後
「(次の試合は)ジャッジの判定にゆだねたくない。100%勝てると確信している。」
(rappler.com)
試合の見どころ
年末の復帰後2戦目となる試合で井岡一翔選手の世界王座決定戦が決まりました!
対戦相手は現在WBOランキング1位のドニー・ニエテス(井岡選手は3位)。
なんと両者ともに4階級制覇がかかる試合となります。
井岡一翔選手は今回が世界戦17戦目、スーパー・フライ級では2戦目となります。
鋭いジャブを上下に打ち分け、相手がガードを固めたところに左右のボディーフック、そしてガードの外側を回り込むような右フックがよく目にする井岡選手の攻撃のパターン。
スーパー・フライ級デビューとなった前回のマックウィリアム・アローヨ戦では、手数で相手を圧倒するだけでなく3Rにはダウンも奪うなど、アローヨのプレッシャーを終始跳ね除け逆に押し返す力強さを見せました。
対するドニー・ニエテスも今回が世界戦20戦目、長く世界のトップ戦線で活躍しているベテラン選手です。
そして今回の試合は前回に続き同タイトル2度目の挑戦となります。
遠い距離から思い切りよく飛び込んで打つワンツー、至近距離の打ち合いでは相手のパンチの軌道をうまく外し打ち込むカウンターが特に目につく攻撃パターンですね。
身長では5cm、リーチでは3cm、井岡選手が上回っていますが、前回のアリソン・パクリテ戦では、体格で大きく上回るパクリテの強いパンチを冷静にガードしてまともに当てさせず、何度も強烈なカウンターを当てパクリテにペースをつかませませんでした。
年齢は36歳になりますが、前回の試合を見る限り体力的な問題はなさそうです。
ともにオーソドックス(右手前の構え)で、攻防一体型のボクサー・ファイターという共通点を持つ両者の対決、高い技術戦が期待できそうですね。
何はともあれ面白い試合を期待したいです。
両選手プロフィール
井岡 一翔 選手
- 名前:Kazuto Ioka
- 出身地:日本
- 年齢:29歳
- プロデビュー:2009年4月12日
- 身長:165cm
- リーチ:169cm
- 戦績:24戦、23勝(13KO)1敗(0KO)
- KO率:54%
- スタイル:オーソドックス
ドニー・ニエテス 選手
- 名前:Donnie Nietes
- 出身地:フィリピン
- 年齢:36歳
- ニックネーム:蛇(Ahas)
- プロデビュー:2003年4月25日
- 身長:160cm
- リーチ:166cm
- 戦績:47戦、41勝(23KO)1敗(0KO)5引き分け
- KO率:49%
- スタイル:オーソドックス
(※画像はBoxRecから引用)
井岡 一翔選手の過去試合動画
ハイライト動画
ドニー・ニエテス選手の過去試合動画
ハイライト動画
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