2018年10月14日、WBO世界バンタム級タイトルマッチ、そしてWBSSⅡバンタム級トーナメント1回戦の
ゾラニ・テテ(南アフリカ) vs ミーシャ・アロヤン(ロシア)の試合が行われます。
会場はエカテリンブルグ=エクスポ(ロシア、エカテリンブルク)
試合結果
〇ゾラニ・テテ(南アフリカ) 判定3-0 ミーシャ・アロヤン(ロシア)×
※111-114 × 2、110-114
WBOチャンピオンのゾラニ・テテが判定でミーシャ・アロヤンを下してタイトルを防衛し、準決勝に駒を進めました。
テテは1ラウンド早々積極的に攻撃をしかけアロヤンからダウンを奪うと、その後序盤は体格のアドバンテージを生かしてジャブでアロヤンの頭をはじき寄せ付けません。
アロヤンも食い下がり、3ラウンド以降はジャブをかいくぐって接近戦で右を当て、活路を開きかけます。
しかし、テテもボディーショットでアロヤンを食い止め、試合は徐々に消耗戦に。
後半は接近距離でもつれ合う展開に。互いにプッシングとホールディングで1点ずつ減点を受けます。
終盤、テテは再びジャブで距離を取る安全策を取り、アロヤンはなすすべなく試合は終了。
結果、テテが危なげない勝利を収めました。
テテの次戦の相手は、11月3日に行われるライアン・バーネットvsノニト・ドネアの勝者となります。
試合後のコメント
ゾラニ・テテのコメント
「アロヤンはベストなボクサーの一人であることを証明した。
彼はハードワークし、神が勝利をもたらすことを信じて戦っていた。
だから12ラウンドまで行ったんだ。彼は男だ。」「ジャブがずっと有効だった。
コーナーからずっと足を使いディフェンスしろと言われていたので、そうするよう努めた。
アロヤンは賢いファイターだ。
来年以降、間違いなく世界チャンピオンになると思う。」「次の試合が楽しみだ。
私はライアン・バーネットが勝ってほしいと思う。
ずっとライアンと戦いたいと思っていた。
準決勝で彼と対戦することを楽しみにしているよ。」
(ucnlive.com)
ゾラニ・テテ選手のコメント
最終記者会見でのコメント
「調子は万全だ。戦う準備は出来ている。
世界チャンピオンならば、あらゆる状況に適応し、対応できなければならない。
アロヤンが何をしてこようが、対応し打ち負かしてみせる。」🗣@zolani_tete 😮💥#TeteAloyan #WBSS2 🏆 #AliTrophy pic.twitter.com/NsmUjajmkp
— World Boxing Super Series (@WBSuperSeries) 2018年10月13日
ミーシャ・アロヤン選手のコメント
最終記者会見でのコメント
「地元エカテリンブルクで戦うことができて幸いだ。私のベストを引き出すことができる。
いつでも戦える状態だ。」🗣 Aloyan 🥊🥊🇷🇺 #TeteAloyan #WBSS2 🏆 #AliTrophy pic.twitter.com/LaD28SNvvZ
— World Boxing Super Series (@WBSuperSeries) 2018年10月13日
試合の見どころ
WBSS(ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ)バンタム級トーナメント第3シードのゾラニ・テテの初戦です。
対戦相手はロシアの元アマチュアエリート、ミーシャ・アロイアン。
サウスポー同士の対戦です。
体格では、身長175cmのテテに対しアロヤンは164cmとテテが大きく上回っています。
ネット上でのファンや識者の試合予想では、テテの支持が圧倒的ですが、
現在のオッズは以下のようになっています(2018年10月10日時点)。
ゾラニテテ | ミーシャ・アロイアン | 引き分け |
---|---|---|
1.2 | 4.33 | 26 |
評判通りテテが優位ではあるものの、井上尚弥vsパヤノ戦と比べると、意外にもオッズでは大きな差はついていません。 よくボクシングニュースで海外での試合のオッズが発表されることがありますよね。 「オッズ 11対2でA選手有利」とか、 「B選手につけられたオッズは1.62倍」といったように。 今回はこのオッズの見方を ...
ボクシングのオッズの表記法【代表的な3つを解説】
というのも、開催地がアロヤンの地元ロシアであることと、アロイアンのアマチュアでの華々しい実績のためでしょう。
- 2012年ロンドン五輪銀メダリスト
- 2016年リオ五輪金メダリスト
- 2009年アマチュア世界選手権セミファイナリスト※ツグソト・ニャンバイアーに敗退
- 2011年アマチュア世界選手権金メダリスト
- 2013年アマチュア世界選手権金メダリスト
- 2010年ヨーロッパ選手権優勝
アロヤンは、2011年の世界選手権ではルーシー・ウォーレンや、アンドリュー・セルビー、
2010年のヨーロッパ選手権ではカリド・ヤファイといったいずれもプロで成功している強豪選手に勝利しています。
昨年5月にプロデビューし、戦績は4戦4勝。
KO勝利こそありませんが、ここ3戦は全て地域タイトル戦で、いずれもニアカラグアのトップクラスの選手に勝利しています。
さらに、アロヤンはテテが苦手とする打たれてもどんどん前に出てくるファイター型の選手でもあります。
序盤の展開次第ではテテの苦戦も十分に予想されます。果たしてどんな結果となるでしょうか?
両選手プロフィール
ゾラニ・テテ 選手のプロフィール
- 名前:Zolani Tete
- 出身地:南アフリカ
- 年齢:30歳
- 階級:バンタム級
- ニックネーム:(Last Born)
- プロデビュー:2006年5月27日
- 身長:175cm
- リーチ:183cm
- 戦績:30戦、27勝(21KO)3敗(1KO)
- KO率:70%
- スタイル:サウスポー
WBSSバンタム級トーナメント出場選手中身長が最も高く、2番目に高いノニト・ドネア(171cm)よりも4cm高い175cm。
リーチでは、183cmと断トツです。
この深い懐の中に入ってくる相手をカウンターで狙い撃つのがテテの主な戦い方です。
2年前にバンタム級に階級を上げてからは更にパワーを増し、5戦5勝3KO。
自らKOを狙いに行く選手ではありませんが、相手がぐらついたときの詰めの速さ、パンチの正確さでKO勝利を重ねています。
昨年11月のWBO世界バンタム級タイトルマッチでは、シボニソ・ゴニャを試合開始直後の右フック一発で沈め世界最短のKOを記録し、世界をどよめかせました。
判定に終わった2戦もポイントで大差を付けており、安定した勝ち方で連勝を続けています。
Sharpen the tools 🔨 🥊 @WBSuperSeries @SauerlandBros pic.twitter.com/ytRwsWCfUz
— Zolani Tete (@zolani_tete) 2018年8月20日
Good morning 😎 pic.twitter.com/oQoPDJN9Pk
— Zolani Tete (@zolani_tete) 2018年2月22日
ミーシャ・アロヤン 選手のプロフィール
- 名前:Mikhail Aloyan
- 出身地:アルメニア
- 年齢:30歳
- 階級:バンタム級
- プロデビュー:2017年5月11日
- 身長:164cm
- 戦績:4戦、4勝(0KO)0敗(0KO)
- KO率:0%
- スタイル:サウスポー
(※画像はBoxRecから引用)
同じアマチュアエリートのワシル・ロマチェンコとは、東欧系で、ファイター型、相手のパンチの打ち終わりを狙うカウンターや、サイドステップで相手のガードの隙間に打ち込むパンチの正確さといった共通する点が多いですが、ロマチェンコのような上下左右前後さらに緩急を自在に操る四次元的な動きの華麗さはなく、パンチ力もパンチの切れも物足りない感じは否めません。
ディフェンス面ではこれまでの試合動画を見る限り、接近戦での打ち合いで結構被弾します。
しかし、まともにパンチをもらってないのか頑強な顎を持ち合わせているのか、ダウン経験はなく、酷く効かされた場面もありませんでした。
タフな選手であると言えますね。
ハードワークして相手が根負けするまで攻め続ける典型的なファイター型の選手です。
アロヤンのコーチ エデュワルド・クラフツォフ氏のコメント
「ミーシャは万事順調だ。身体的にも精神的にもいいコンディションを保っている。
我々は戦略的にも技術的にも相手を驚かせるモノを用意している。
テテはいいボクサーで豊富な経験もあり、かなり強敵だが、多くのボクサーと同様に欠点もある。
その欠点を突けるよう試合を組み立てていきたい。
我々はテテがあっと驚くようなものをプレゼントするつもりだ。」
(ringside24.com)
ゾラニ・テテ選手の過去試合動画
[2017年11月18日] WBO世界バンタム級タイトル初防衛戦 vs オマール・アンドレス・ナルバエス(アルゼンチン)戦
スーパー・フライ級で井上尚弥選手とも戦ったオマール・ナルバエス。階級をバンタム級に上げ4戦4勝を上げていましたが、テテはナルバエスからダウンこそ奪えなかったものの、ナルバエスに何もさせず120-108×3の判定で完封勝ちを収めました。
[2017年11月18日] WBO世界バンタム級タイトルマッチ vs シボニソ・ゴニャ(南ア)戦
テテは世界新記録となる11秒KOで世界を驚かせました。
ミーシャ・アロヤン選手の過去試合動画
[2018年2月3日] 直近の試合 WBAインターナショナル・バンタム級タイトルマッチ vs アレクサンダー・エスピノサ(ニカラグア)戦
[2017年12月9日] プロ3戦目 WBAインターナショナル・バンタム級王座決定戦 vs ハーマジェネス・エリザベス・カスティージョ(ニカラグア)戦
[2017年7月22日] プロ2戦目 WBCシルバー・スーパー・フライ級王座決定戦 vs マーヴィン・ソラノ(ニカラグア)戦
【WBSSシーズンⅡ】バンタム級のトーナメント日程表&詳報【トーナメント優勝者は井上尚弥!】
WBSS(ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ)シーズンⅡのバンタム級のトーナメント表です。 試合日程や、試合会場、勝敗結果などの詳細情報を随時更新していきます。