2019年5月26日(日)、WBA世界ライト・フライ級タイトルマッチ
カルロス・カニサレス(ベネズエラ) vs 木村 翔(青木/ランキング2位)の試合が行われます。
会場は中国、福州市
この試合の模様はWOWOWメンバーズオンデマンド「エキサイトマッチ」でよる20:00頃から生中継される予定です。
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試合結果
〇カルロス・カニサレス(ベネズエラ) 判定3-0 木村 翔(青木)×
※109-119、109-119、110-118
序盤から打っては離れ、離れては打つカニサレスを木村選手は最後まで捕まえきれませんでした。
木村選手も強いボディーショットを打ち込みましたが、カニサレスの足を止めるほどダメージを与えることができず、
逆にカニサレスのパンチはことごとくカウンター気味に強烈にヒットし、終盤は木村選手の方にダメージの蓄積が見て取れました。
試合はそのままカニサレスペースで進み、終わってみればポイントで大差をつけられ、3-0の判定でカニサレスが勝利。
カニサレスはWBA世界ライト・フライ級タイトル2度目の防衛を果たしました。
この日は日本人選手3人が世界戦に臨みましたが3連敗に終わり、日本のボクシングファンにとってなんとも苦い一日となりました。
前日計量の結果 ※ライトフライ級リミット108lbs(49.0kg)
両者ともにリミット以下で計量パス
カルロス・カニサレス | 107.8 lbs(48.9 kg) |
---|---|
木村 翔 | 107.3651 lbs(48.7 kg) |
※1kg=2.20462ポンド、1ポンド=0.453592kg
木村 翔選手のコメント
[2019.5.25]前日計量後の会見でのコメント
「体調はばっちり。もっときついかと思ったけど正直余裕だった」
(サンスポ)
[2019.5.24]The Ringのインタビューに答えて
≫The Ring: 中国で再び戦いますが、気分はどうですか?
木村「2017年中国でタイトルを獲得しました。この国で再び戦うことは特別な気持ちです。再びここで世界タイトルマッチを戦うことができて、今は感謝の気持ちでいっぱいです。」≫The Ring: あなたは海外で変わった成り行きでファンを獲得しました。あなたの活躍が日本の他の選手にも道を開いたと思いますか?
木村「日本のボクシングは海外に開いていく時代だと思います。ボクシングは世界的なスポーツです。それを日本のボクサーも理解し始めています。もっと日本のボクサーが海外に挑戦してもいいのではないでしょうか。」≫The Ring: 青木ジムに取材に行った時、あなたはとても好調に見えました。今回のトレーニングキャンプはどうでしたか?
木村「今、すごく調子がいいです。タイでもトレーニングキャンプを行いましたが得るものが多くありました。気温40度の環境でトレーニングをすることは簡単ではありませんでしたが、今その成果で12ラウンド動き回ることができます。身体的にも精神的にも強くなったと感じます。」≫The Ring: カルロス・カニサレスはとても高いKO率を持っているのでアグレッシブな戦いをすることが考えられます。そして私たちはあなたのファイトスタイルも知っています。ファンは木村の激しい戦いを期待していですか?
木村「みんな私が前に出ていって戦うことを期待しているでしょう。私はチャンピオンと打ち合いがしたいです。彼が恐れなければですが。」≫The Ring: 田口選手や小西選手は除くとして、チャンピオンはあなたが戦ってきた相手のレベルに達していないと思われます。この試合を引き受けたのは、あなたの経験に基づく自信があったからでしょうか?
木村「そうですね、イエスです。私はフライ級のチャンピオンでした。多くの強い相手と戦ってきました。この経験とプライドを生かしてチャンピオンと戦いたいと思います。」≫The Ring: この試合はあなたのキャリアをかけたものになるでしょうか?
木村「私はいつの試合も最後の試合だと思って戦っています。キャリアを続けるためにもいつも厳しいトレーニングを課しています。」≫The Ring: 一度はチャンピオンになり、年齢も30歳になりました。もう一つのタイトルに向けてあなたのモチベーションを支えるものは何ですか?
木村「私のモチベーションはもう一度世界チャンピオンに返り咲き、再びべえるとを巻くことだけです。」≫The Ring: 最近あなたのジムにIBFフライ級チャンピオンのモル・ティムラザネが訪れましたね。彼はどうでしたか?近い将来戦いたいと思いますか?
木村「モルティーは本当に素晴らしいところがいくつもありました。ディフェンスだけでなく、ジャブもうまかった。レフとフックも素晴らしい。彼と戦うチャンスがあったら?もちろん戦いたいです。」≫The Ring: 対戦相手にメッセージは?
木村「誰もが私たちを忘れられなくなるような素晴らしいタイトルマッチにしましょう!」
(Ringtv.com)
[2019.5.14]正式発表会見でのコメント
≫中国プロモーターの支援で世界再挑戦が実現した
「ありがたい限り。最初はすごいアウェーだったが、今やアウェー感なくホームに感じる」
「今回は勝ってリングから中国語であいさつしたい。なんて言おうか、考えている」
≫勝てば2階級制覇となるが
「正直興味ない。もう1度ベルトを巻くのが目標」
≫階級を下げての挑戦となる
「フライ級は楽すぎた。元に戻し、ちゃんと減量するだけ」
≫未だ無敗の王者カニサレスについて
「黒星をつける。負ける気がしない。11回には倒したい」
(日刊スポーツ)
試合の見どころ
2019年5月26日(日)、元WBO世界フライ級チャンピオンの木村翔選手が再び中国の地で今度は一階級下のLフライ級で世界タイトルに挑戦します。
迎え撃つ王者はベネズエラのWBA世界Lフライ級チャンピオン、カルロス・カニサレス。
王者カルロス・カニサレスは、2016年の12月に当時WBALフライ級王者の田口良一選手に世界初挑戦、接戦の結果はドローで王座奪取には失敗しました。
しかし、翌々年の2018年3月には、田口選手がスーパー王者となり空位となった同タイトルを小西伶弥選手と争い、3Rには強烈な右の打ち下ろしでノックダウンを奪うと、その後の小西選手の猛攻にもフットワークを駆使して逃げ切り、3-0の判定で勝利、初の世界タイトルを獲得しました。
さらに、同年7月にはリオ五輪出場の中国のビン・リュー(呂斌)を12RTKOで下し、初防衛を成功させています。
戦績は22戦21勝(17KO)1分けと負けはありません。
158cmとLフライ級でも小柄なカニサレスですが、体幹の強い体から繰り出すパワフルなパンチ力が持ち味です。KO率は77%を誇ります。
特に相手のジャブに合わせるカウンターの右フックが得意パンチです。
接近戦でも相手のガードが下がった一瞬のすきに強い右を打ち込んできます。
対する木村翔選手は、2017年7月に当時王者で北京・ロンドン五輪金メダリストの中国の英雄ゾウ・シミン(鄒市明)を11RTKOで破り、中国で一躍大きな脚光を浴びました。
その後2度の防衛をKOで成功させ、2018年9月24日には現WBO世界フライ級王者の田中恒成選手との3度目の防衛戦を戦いましたが、ジャッジが一人ドローを付ける僅差の判定で敗れ、王座から陥落しました。
そして今回1階級下のLフライ級で2階級制覇を目指します。
3月の再起戦から、2カ月ほどの短い準備期間で、約3年ぶりのLフライ級の試合ということになります。
多くの選手が、加齢にともなう代謝の低下や筋肉量の増加により階級を上げる中、調整面で心配されます。
今回の会場は中国・江西省の撫州、もしかすると中国のLフライ級ホープをKOで下したカニサレスへの仇討ちを託すべく、中国で人気の木村選手に白羽の矢が立ったのかもしれません。
日本人でもカニサレスを完全に攻略した選手はいないのは同じこと。日本と中国のファンの期待が木村選手に集まります。
木村選手は、終始相手にプレッシャーをかけ続けるファイター型。
持ち前の強いパンチをガードの上からでも当てて相手を弱らせ、相手がロープに下がればボデイーの固め打ちから右アッパーやオーバーハンドにつなげるのが得意な攻撃パターンです。
気になるのは木村選手のディフェンス面。
田中戦では前半、右のガードが下がったところを狙い撃ちされ、ポイントでリードを奪われました。
カニサレスは前半攻勢に出てポイントでリードすると、後半はフットワークを使って逃げ切る作戦を取ることも多いので、何とか前半ポイントを奪われることなく乗り切ってもらいたいです。
逆に、フットワークを使うカニサレスを木村選手がいかに追い込むか、といった点も興味深いです。
後半勝負になれば、終盤スタミナに課題のあるカニサレスに対し、スタミナには定評のある木村選手が有利になりそうです。
ただし、木村選手には減量の懸念があります。
木村翔選手はLフライ級での世界初挑戦に勝利し、2階級制覇を達成することができるでしょうか!?
今回の「試合の見どころ」は@OnoderaSftさんに協力をいただきました。
@OnoderaSftさんのホームページはこちらです。
この試合のオッズ
カルロス・カニサレス | 木村 翔 | 引分け |
---|---|---|
3.0 | 1.38 | 16.0 |
参照:betfair.com
意外というべきか無敗でKO率でもより高い王者よりも、木村選手の人気が上回っています。
体格的な優位と、ゾウシミン戦、田中戦とインパクトのある試合を重ねてきた評価なのかもしれません。
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両選手プロフィール
カルロス・カニサレス
- 名前:Carlos Canizales
- 出身地:ベネズエラ
- 年齢:26歳
- ニックネーム:CCC
※本名のCarlos Antonio Canizales Civiraから付けられた。 - プロデビュー:2014年7月4日
- 身長:160cm
- リーチ:164cm
- 戦績:22戦、21勝(17KO)0敗(0KO)1分
- KO率:77%
- スタンス:オーソドックス
木村 翔
- 名前:Sho Kimura
- 出身地:日本
- 年齢:30歳
- プロデビュー:2013年4月22日
- 身長:165cm
- リーチ:169cm
- 戦績:22戦、18勝(11KO)2敗(1KO)2分
- KO率:50%
- スタンス:オーソドックス
(※画像はBoxRecから引用)