以前、海外ボクオタ・ユーチューバーのプレサイス・パンチャー氏の井上尚弥 vs ヨアン・ボワイヨ戦分析を紹介しましたが、また同氏の井上尚弥 vs ジェイミー・マクドネル戦分析動画がアップロードされていたので、紹介します。
相変わらず、今回も辛口ですが興味深い内容です。
以下、翻訳した内容です。誤訳御免でお願いします。
プレサイス・パンチャー氏の井上 vs ジェイミー・マクドネル戦分析
みんな調子はどうだい?
今日は井上尚弥とジェイミー・マクドネルの試合について語りたい。
私は前からこの若者の試合を追っている。
過去の私のビデオを見たことがあるなら、私が井上のことを過剰評価された(オーバーレイテッド)ファイターであると判断していることを知っているだろう。
ただし、それは井上が悪いファイターだという意味じゃない。
井上は確かにいいファイターではある。
しかし、個人的にはパウンド・フォー・パウンドのトップ10に入るような技術を持ったファイターであるとは思わない。
まだ井上は自身をピンチに追い込むような実力者と戦っていない。
今の世間の評価はかなり過剰だ。
フィルムスタディーによる分析について
とにかく私はリングの中で起こった事実のみを評価する。
それゆえに私はこのフィルムスタディーによる評価方法を好んでいる。
先に言っておくが、井上のファンボーイは他所に行いってくれ。
ここでは事実のみを語る。
別に私は井上を叩きたいわけじゃない。
ただ、感傷的にしゃべりたてる熱狂的なファンボーイが嫌いなだけだ。
ビデオの再生速度を75%に落として、試合を見てみよう。
パウンド・フォー・パウンドについての考え方
ここでパウンド・フォー・パウンドについて私の思うところを言わせてくれ。
多くの人が井上をパウンド・フォー・パウンドTOP10に値すると評価している。
否定するのはごく一部だけだろう。
私は井上がパウンド・フォー・パウンドTOP10には値しないと考える一人だ。
この試合でも井上の技術がパウンド・フォー・パウンドに値するか確認したが、やはりそうじゃなかった。
単に世間でそう格付けされているだけだ。
パウンド・フォー・パウンドと言っても、多くの異なる格付けの方法がある。
だいたいのものが基準があいまいで意味不明なものだ。
しかし、私のような純粋主義者はオリジナルの定義づけに固執する。
それは、「世界中で最も優れたファイター」であるということだ。
特に私は「技術(Skill)」を最重要視して判断する。
もしリストの上の方にいるファイターが、下のファイターに負けたとしたら、それは過剰評価だったということになる。
まぁ、ボクシングにはハプニングもつきものだが。
ジェイミーマクドネルの試合当日のコンディションについて
試合を正しく評価するために重要なことを一つ言っておきたい。
ジェイミー・マクドネルは試合当日144パウンドでリングに上がっていたらしい。
計量の時は117.5パウンドだった。
つまり、ジェイミーは少なくとも26パウンドの水分を再補給していたことになる。
ざっと体重の22%の重量だ。
エロール・スペンスなみの重量だったということだ。
とても考えられない話だ。
ラモント・ピーターソンも26パウンドの水分を再補給したことがあるというが、ラモントはもっと上の階級だ。
こんな短期間で体重を戻して、力を発揮できるファイターはほとんどいないだろう。
1ラウンド開始直後
ジェイミーは距離を測るためにいいジャブを放っている。
しかし、マクドネルはかなり跳びはねて(バウンス)している。
これは感心しない。
ジェイミーは今のところいい感じだ。
正しいことをしている。
井上はただ距離をメインテナンスしている。
井上のボディー・ストレートがヒットしてから最初のラッシュまで
井上のジャブがタイミング良くボディーに入った。
パンチに威力があったのか、ジェイミーが弱っているのか。
ジェイミーが少しぐらついた。
井上はさらに2発のパンチを放つが、当たらなかったので、距離をさらに詰める。
井上の追い足は速い。
横への動きがとてもいい。
ラインを崩してステップを踏んでいる。
しかし右腕が下がっている。
これが私が以前に指摘した問題点だ。
井上は両腕を下げたまま攻撃している。
しかし、ジェイミーはかなり弱っていて井上を恐れている。
試合前にやくざのボスが控室にあいさつにでも行ったんだろうか?
井上は爆発的でエキサイティングだが、パンチに正確性がない。
これも問題だ。
井上はパンチを打つときに胸ががら空き(ワイドオープン)になっている。
これも私が気に入らない点だ。
井上は多くのラビットパンチを打っている。
いくつかのパンチは偶然のようだが、意図的なパンチも混ざっているようにも見える。
これは手首が当たっている。
これも反則のパンチだ。
またラビットパンチだ。
しっかり当たってはいないが。
ほとんどのパンチがまともに当たっていない。
単にマクドネルが恐れているだけだ。
このボディへのパンチは有効打だ。
いい角度で左フックを当てている。
井上はボディー以外ターゲットを定めてパンチを打っていない。
井上はやはり正確なパンチャーとは言えない。
頭への左フックが入ってから最初のダウンまで
ジェイミーはまだ元気に見える。
しかしメンタルは相当ゆさぶられている。
この時点で井上が優位にある。
ジェイミーはただ縮こまっている。
ジェイミーはもはやジャブも打たず、右ストレートも打たない。
井上の武器
井上は再び胸ががら空きの状態(ワイドオープン)でパンチを打っている。
ただし、井上は素早い。
私は井上を倒すのが簡単だとは言っていない。
マクドネルはまだ身体的にはOKのようだ。
メンタルはどうだろう?
かなりバランスを失っている。
足元もおぼつかない。
井上のいいパンチテクニックだ。
これは明らかに井上の武器だ。
井上はレフトフックをいい軌道で放っている。
ジェイミーがダッキング(かがんで身体を低くする防御方法)しているにも関わらず、タイミングよくとらえている。
若干、頭の上の後頭部に近い箇所に当たっているが、井上の過失じゃない。
ジェイミーがダッキングしたからだ。
バウンス(跳びはね)が気に入らない
二人とも跳びはねて(バウンス)動いている。
アマチュア的な動きだ。
バウンスする井上に合わせてジェイミーはジャブを放っている。
ヒットはしていないが。
これがバウンスがプロ的ではない理由だ。
明らかにパウンド・フォー・パウンドトップ10のファイターがすることじゃない。
まぁ私の意見だが。
しかし、井上は並外れた身体的強さがあるので、その弱点が致命的にはなっていない。
ロイ・ジョーンズjrと一緒だ。
しかし、ロイでも強敵と対戦した時には修正していた。
マクドネルの危なっかしいジャブだ。
しかし彼のリーチの長さが助けている。
井上はなかなか距離を詰めるのが難しい。
ジェイミーはちゃんとしたジャブを打っている。
ジャブで相手との距離をコントロールできている。
ラビットパンチは作戦の一部か?不正確なパンチ
井上はなかなかジェイミーにタッチできない。
井上が3発のパンチを打つが当たらない。
かなり不正確だ。
この試合に限ったことだろうか?
10%ほどの的中率じゃないか。
これでもパウンド・フォー・パウンド?
井上はジャブを打たない。
ジェイミーとの距離が遠いからだろう。
ジェイミーにはリーチのアドバンテージがある。
このパンチはどうだ、ラビットパンチのようにも見える。
手首が当たったようにも見える。
ラビットパンチは井上のゲームプランの一部かもしれない。
間違いやハプニングは起こり得るが、何度も繰り返し起こるとなると、そうともばかり考えられない。
これは故意なんだろう。
このように手首や前腕部で頭の後ろの方や肩のあたりを打つのは、相手のバランスを崩そうという意図だろう。
マクドネルの足がかなり弱っていて踏ん張りがきいていない。
かなりぐらついている。
最初のダウンシーンを見て
なんだこの右は?ミスショットじゃないか?
続けて井上はボディーにパンチを打つがブロックされている。
マクドネルの肘に当たっているように見える。
ボディーにヒットしたようには見えない。
倒れたのはマクドネルの足が弱っていたんだろう。
効いたというよりバランスを失って倒れた?
井上はバンタム級に階級を上げても力を見せているが、パンチはクリーンに当たっていない。
真実を見よう。
井上のパンチはクリーンヒットしていない。
井上はかなり正確性に欠けている。
この試合に限ったことかもしれないが。
彼はすぐに立ち上がろうとしているが、ボディーショットは遅れて効く場合がある。
かかとがキャンバスから離れたままだ。
まだ顔をしかめてボーっとしている。
彼は試合前から死に体だった。
計量の時の姿を見てくれ。
ダウンから立ち上がり、試合が終わるまで
ジャイミーのジャブが当たっている。
井上はキャリアの最初の頃から攻撃中にディフェンスがおろそかになることがよくある。
これは良くない兆候だ。
井上は腕を下げたまま胸ががら空きの状態で、大ぶりのパンチを振り回して相手のパンチを食らうことがある。
このような場面を見るのは初めてじゃない。
これは相手をリスペクトしてないせいかもしれない。
相手はKO率20%でパンチ力がない。
もし対戦相手に技術とスピードとパワーがあり、井上を恐れることなく戦うなら、井上はこのようなシーンをもっと見せるだろう。
思うに井上はディフェンスが下手だ。
これがパウンド・フォー・パウンドファイターか?いや違う。
見てくれ、井上は大ぶりのパンチを空振りしながら接近して、ジェイミーの右を食らっている。
しかし、大した問題にはなっていない。
なぜなら井上は強靭なモンスターだから。
パンチを食らいながら接近し、この弱った男にパンチを打ち込むことができる。
荒っぽい左をマクドネルは食らっているが、打ち返せない。
試合を通して井上は25発ほどのパンチを当てている。
マクドネルは全くパンチへの耐久力がない。
試合に勝とうという意思も感じられない。
井上を死ぬほど恐れている。
最初から結果が決まっていた試合だ。
どう見ても井上は過剰評価なファイターだ。
そのうち割のいい賭けのチャンスが来る。
どうかみんな井上を過剰評価したままでいてくれ。
いつかリング上に井上を恐れない相手が現れる。
動きが早く、パンチ力がある相手が現れる。
そういった敵と戦った時、井上はノックアウトされるだろう。
井上はセットアップすることもなく、ただ荒っぽくパンチをスイングしているだけだ。
しかも、ほとんどがミスパンチだ。
マクドネルがまたダウンした。
試合が終わった。なぜだ?
多分レフェリーにはマクドネルに勝つ意思がなく、そのまま寝転がっていたいように見えたんだろう。
攻撃の最中に防御がおろそかになること、その他の弱点について
たとえ実力差のある相手との試合でも、証明できるものはある。
井上は右腕を下げたまま胸ががら空きの状態で荒くスイングしている。
ジェイミーが右のジャブを放ちヒットしている。
大きなターゲットが現れた。
アゴを宙に上げて頭が前に出ている、胸もがら空きだ。
井上の左手は頭よりも後ろにある。
このチャンスが見えない?
ジェイミーに勝つ決意があってリングに立っているなら、なぜステップインして右を打ち込まない?
彼はステップインすべきなのに、ステップアウトしている。
とても勝つ気があるようには思えない。
もしこれがノニト・ドネアだったら、井上がキャンバスに沈んでいただろう。
ノニトを称賛するつもりはないが。
私の言うことを信じないって?まぁその時が来るまでに大金を用意していてくれ。
私は単に井上が見せてくれたものでジャッジする。
井上の多くのパンチは正確じゃない。
パンチのセットアップも見られない。
この姿はリゴンドーを思い起こさせる。
衰弱して弱った敵を打ちのめしたのを見て、いかに素晴らしくアメージングであるか皆が口をそろえて言う。
リゴンドーには井上のような力強さはないが、それでもリゴンドーは井上より上だろう。
WBSSは答えを出してくれるかもしれない
井上がパウンド・フォー・パウンドファイターになる可能性はある。
しかし、井上がこれまでに戦ってきたような相手では評価をすることはできない。
これまでのところ、既に結果が決まったような相手との試合しか見ていない。
試合内容でもそのような姿を見せていない。
とにかくもっと井上の試合を見てからじゃないと判断できない。
WBSSのバンタム級トーナメントでの井上を見るのが楽しみだ。
非常に興味深いものになるだろう。
何らかの確かな答えを提供してくれるはずだ。
知っての通り、テテは名手(クラック)の一人だ。
もし井上が自分を過剰評価して興奮状態のまま、テテの実力を計り間違えて、テテのクリーンヒットをもらったら?
井上はキャンバスに眠ることになるだろう。
ご清聴ありがとう。
終りに
いかがでしたか?
この動画のコメントに「じゃ、パウンド・フォー・パウンドファイターの試合ってどんなだよ?」といったコメントが投稿され、プレサイス・パンチャー氏がそれに答えて、ゴロフキンとマティロシヤンの試合を分析した動画もアップロードしています。
そちらも興味深いのでよかったら見てみてください。
また、この記事を読んで、「そりゃビデオでコマ送りしたら、危うく見える場面もあるだろう」と疑問に思った方も是非その動画をチェックしてみてください。
近いうちに翻訳記事を上げます。
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