2017年9月10日、WBO世界S・フライ級王者井上尚弥がアメリカに初進出し、6度目の防衛戦を行います。
対戦相手は、WBOランキング7位のアントニオ・ニエベス(Antonio Nieves )。
会場はアメリカ、カリフォルニア州カーソンのスタブハブ・センター。
この日は、ロマゴンvsシーサケット、カルロス・クアドラス vs ファン・フランシスコ・エストラーダなど、S・フライ級の注目の3試合が行われます。
インパクトのある試合でアメリカのボクシングファンの心をつかみ、世界的評価を上げることができるか。
この試合は、9月10日(日)午前10時からWOWOWプライム「エキサイトマッチ」で生中継されます。
試合結果
〇井上尚弥 6回RTD(棄権) アントニオ・ニエベス×
ガードの堅いニエベスに対し、井上選手は初回からボディー中心に攻撃を仕掛け、ダメージを与え続ける。
3R以降はニエベスが極端に逃げ回る展開になり、5Rには井上選手の強烈なボディーを受けたニエベスがたまらずダウン。
6Rにはもはや反撃の力が残っていないニエベスに対し、井上選手が挑発するポーズを見せる場面も。
6R終了後、ポイントでの逆転の可能性がなくなったニエベス陣営がレフェリーに棄権を伝え試合終了。
井上選手のTKO勝ちとなりました。
井上選手は6度目の防衛戦に成功、アメリカデビューを危なげなく飾りました。
その他の試合
〇ファン・フランシスコ・エストラーダ 12回判定(3-0) カルロス・クアドラス×
手数が多く動き回るクアドラスに対し、エストラーダが的確に強いパンチを打ち込む。
10回にはクアドラスからダウンを奪うなど、特に後半はエストラーダが試合を優位に進め、僅差でしたが3-0の判定勝ち。
〇シーサケット・ソールンビサイ 4回KO ローマン・ゴンザレス×
この日のメインとなった試合。
ローマン・ゴンザレスがシーサケットの強烈なカウンターを受け、まさかの4RKO負け。
シーサケットがロマゴンを返り討ちにする結果となりました。
試合後のコメント
井上尚弥選手のコメント
「初回は相手もきていたけど、3回以降は一辺倒になってしまって、試合にならないと思った。
米国のリングの雰囲気は良かった。屋外で気持ちよかった。声がかかれば、またやりたい。」(日刊スポーツ)
-次にこの米国ではどんなものを見せたい?
「相手あってのものなんで、相手がいい試合をしてくれれば、試合自体もいい試合になるんで。今日みたいな、一方的な、相手に勝つ気がないような試合だと、試合自体が枯れちゃうと思うんで。白熱する試合がやりたいですね。」-今日の試合について
「環境もちがう米国で、コンディションもつくれて、今日も動き自体は良かったんで。結果的に良かったと思います」-2回の最後、ゴングを勘違いしたのは緊張からか?
「緊張ではないですけど、自分が入りすぎていた部分はあると思う」-アメリカの観客もかなり応援していた。
「ありがたいです。またそういうファンの方に見たいと思わせるような試合が、今日はできたか分かりませんけど、またこれから作り上げていきたいです」
(スポニチ)
アメリカデビュー戦は6R終了TKOで勝つ事ができました!L.Aまで応援に来てくれた方、日本で応援してくれてた方、本当にありがとうございました!みなさんの応援が力になりました!まだまだこんなもんじゃないボクシングを見せていけたらと思います!夢見る景色へ!!! pic.twitter.com/IYDiPohDuU
— 井上尚弥 Naoya Inoue (@naoyainoue_410) 2017年9月10日
アントニオ・ニエベス選手のコメント
「井上はとても強く、早かった。
井上は同じコンビネーションパンチを途切れなく出し続けた。
情け容赦なかった。」
(pba-online.net)
[9/7]メディア・ワークアウトの様子
井上尚弥
アントニオ・ニエベス
両選手のプロフィール
井上尚弥選手のプロフィール
- 出身地:神奈川県座間市
- 年齢:24歳
- プロデビュー:2012年10月2日
- 身長:164cm
- リーチ:171cm
- 戦績:15戦、13勝(11KO)、0敗、2引き分け
- KO率:85%
- スタイル:オーソドックス
- ニックネーム:モンスター
- 経歴:19歳でプロデビュー
4戦目で日本タイトル獲得(最速タイ)
5戦目で東洋太平洋タイトル獲得(最速タイ)
6戦目で世界タイトル獲得(当時日本最速)
8戦目で2階級目の世界タイトル獲得(当時世界最速。世界的ビッグネームオマール・ナルバエスを倒す)
(画像はBoxrec参照)
アントニオ・ニエベス選手のプロフィール
- 出身地:オハイオ州クリーブランド
- 年齢:30歳
- プロデビュー:2011年11月12日
- 身長:163cm
- リーチ:174cm
- 戦績:20戦、17勝(9KO)、1敗、2引き分け
- KO率:45%
- スタイル:オーソドックス
- 経歴:2011年全米選手権 銅メダリスト
(画像はBoxrec参照)
元々はS・バンタム級を主戦場としていたニエベス。
体格は井上選手とほぼ互角。
2015年から徐々に階級を下げ、引き分けを挟みつつも負けなしで試合を重ねてきたが、前の試合ではロシアのニコライ・ポタポフとS・フライ級の10回戦を戦い判定負け。
これは調整ミスだったか?
万全のコンディションを整え、大一番に臨むことができるか!?
両選手のコメント
井上尚弥選手のコメント
-アメリカでやるということについて
「特別な気持ちはあります。
会場の雰囲気や試合後の反響も違うと思う。
ついに来たか!という感じです。元々アメリカのリングで戦いたいと思っていたが、こんなに早く決まるとは思っていなかった。
今後を期待される勝ち方をしなきゃいけないと思っています。アメリカでは、いい試合をすれば歓声があがるし、逆に期待されている選手が期待に沿わない試合をしたときはブーイングが起こる。
いい悪いがはっきりした場所。
そういう意味で自分のボクシングスタイルに合っている。」-どのような試合を期待されていると思うか?
「このアメリカでの試合が、これからの自分のボクシング人生の大きな分かれ道になると自覚している。
これまでとは全然別のモチベーションがある。」-対戦者のアントニオ・ニエベスについて
「右ストレートを結構踏み込んで打ってくるし、力強さもある。
理想は何ラウンドでもかまわないのでKOで勝ちたい。
今回の試合に関しては判定は無い。「今まで以上にモチベーションは高いですし、勝ち方にもすごくこだわっているので、しっかり自分のボクシングというものをアメリカのファンの皆さんに見せて、豪快なKOでアメリカのファンの心を掴みたい。」
-ロマゴンとの対戦について
「試合はしたいが、Sフライ級にいつまでいられるか体の限界もある。
この時期に試合をできるという保証があれば待ちます。」
(WOWOWエキサイトマッチ)
アントニオ・ニエベス選手のコメント
-コンディションについて
「トレーニングは順調だ。
階級を下げたことは何の問題もない。あと1週間でもう1~2パウンド下げる予定だ。
これまで食事制限もしていない。
118パウンドの体を作ることはそれほど難しいことではない。」-井上尚弥について
「我々は何度も井上の過去の試合を見た。
彼は2階級王者であり、S・フライ級ではクイックでパンチも強い。しかし、私はこの階級では体格が大きくパワーがある。
彼の試合はほとんどが108パウンドのものであり、彼は階級をジャンプアップしてきた。
逆に私はS・バンタムから階級を下げてきた。
この事実はかなり私に有利に働くだろう。
彼のこれまでの対戦相手と異なり、私は彼を押し込んで行くつもりだ。」-この試合への意気込みは?
「この試合をきっかけに、S・フライ級でビッグマッチを実現させたい。
世界タイトルを奪取できれば、全てが変わることになる。
我々にはゲームプランがある。
それを試合で実行する。」
(World Boxing News)「プレッシャーをかけていく。
試合をコントロールして井上の好きにはさせない。
俺は逃げも隠れもしない。」
(WOWOWエキサイトマッチ)
L.A. WE ARRIVED #SuperFly pic.twitter.com/dHjpWLywj6
— Antonio Nieves (@antonionieves10) 2017年9月4日