2018年10月21日(日)、IBF世界バンタム級タイトルマッチ、そしてWBSS(ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ)バンタム級トーナメント1回戦となる
エマニュエル・ロドリゲス(プエルトリコ) vs ジェイソン・モロニー(オーストラリア)の試合が行われます。
会場はCFEアリーナ(アメリカ、フロリダ州、オーランド)。
この試合の日本での中継予定はないようです。
試合結果
〇エマニュエル・ロドリゲス(プエルトリコ) 判定2-1 ジェイソン・モロニー(オーストラリア)×
※115-113、115-113、113-115
序盤から頭にボディーに急所を突くようなパンチを打ち込むロドリゲス。モロニーもヘッドスリップ(頭を動かす防御法)や前後の動きで対応しますが、ポイントは手数の多いロドリゲスのラウンドが続きます。
しかし3R、ロドリゲスの打ち終わりめがけて放ったモロニーのカウンターの左フックがクリーンヒット。
ロドリゲスは一瞬ぐらついたものの効いたそぶりを見せず、リングの中央を陣取ったまま同じペースで攻撃を続けます。この辺り、ロドリゲスの打たれ強さが垣間見えました。
5Rには、ロドリゲスの正確で硬いジャブと強いボディーショットがモロニーにヒット。モロニーが嫌がる顔を見せる場面も。
しかし6、7R、モロニーは数は少ないながらも反撃のパンチをヒットさせ、試合は徐々に拮抗していきます。
8Rに入ると、モロニーの強いボディーショットがロドリゲスをとらえ出し、少しずつモロニーがペースをつかみ始めます。ロドリゲスもクリンチしながら要所要所でボディーに鋭いパンチを打ち返し、モロニーに攻撃を続けさせません。
その後もモロニーの手数は止まらず、ロドリゲスがロープに押し込まれたりクリンチするシーンが目立ち始めます。
11Rには互いに接近戦で打ち合い、モロニーがロドリゲスをロープへ押し込み連打を繰り出しますが、決定打を与えるには至りません。
12Rもモロニーは必死の攻撃。疲労したロドリゲスですが、あらゆる手を尽くしてしのぎきり試合は判定へ。
3人のジャッジの裁定は割れましたが、前半ポイントを集めたロドリゲスが僅差で逃げ切りました。
エマニュエル・ロドリゲスが苦しみながらもIBF世界バンタム級タイトル初防衛に成功です。
計量の結果 ※バンタム級リミット53.5kg(118lbs)
両者ともにリミット以下で計量パス。
ロドリゲスは初回計量時に、0.2ポンドオーバーでしたが、パンツを脱いで最計量し無事にパス。
エマニュエル・ロドリゲス | 118.0 lbs(53.5 kg) |
---|---|
ジェイソン・モロニー | 117.6 lbs(53.3 kg) |
※1kg=2.20462ポンド、1ポンド=0.453592kg
動画では、モロニーの体重が118.6lbsと表示されていますが、117.6lbsの間違いですね。
アナウンサーも思いっきり「118.6ポンド」といってますが、周りは誰も気にしていないという…
両選手のコメント
エマニュエル・ロドリゲス選手のコメント
「準備はできている。早く試合がしたい。
どんな展開になろうとも対応できる準備はしてきた。ハードなトレーニングをし、ハードなスパーリングをしてきた。
この試合のために自分にできることは全てしてきたよ。この試合に勝って、トーナメントを制覇し、アリトロフィーをプエルトリコに持ち帰るつもりだ。」
(cfearena.com)
モロニーについて
「彼は素早く賢い。そしてリングの使い方を知っている。
ただ、どの試合にも違いはあるし、どの相手も違った能力を持っている。だからあらゆる展開に備えて準備するだけだ。
試合で慌てふためくようなことがあってはならない。」
(ringtv.com)
ジェイソン・モロニー選手のコメント
ロドリゲスについて
「彼はとても優れたボクサーだ。そして世界チャンピオンだ。
しかし、トーナメントの他の出場者と同様、決して倒せない相手じゃない。彼の映像資料を何度も見た。
彼はスピードがあり、動きが滑らかで、いいジャブを持っている。
基礎技術は完ぺきだ。
しかし、試合が始まれば彼がただの人間だということが分かるだろう。私がベストの力を出すことができれば倒せないはずはない。
結果は試合当日のパフォーマンス次第だろうね。」
(sportingnews.com)
試合の見どころ
高度な技術を持つプエルトリコ人のIBF世界バンタム級チャンピオンエマニュエル・ロドリゲスが、初防衛戦を迎えます。
挑戦者はオーストラリア人のジェイソン・モロニー。モロニーはIBFの指名挑戦者です。
ともに無敗同士の対決となります。
この試合はWBSSシーズンⅡのバンタム級トーナメント第一回戦でもあります。
トーナメントではシード4位のロドリゲスですが、シード1位で前IBF王者のライアン・バーネットが当時指名挑戦者だったロドリゲスとの対戦を嫌い、IBFタイトルを放棄したという噂もあるほどの実力者です。
この空位となったIBFタイトルの決定戦が今年5月にロドリゲスと当時ランキング4位のポール・バトラーとで行われ、結果は、ロドリゲスがバトラーからダウンを奪うなど内容で圧倒して大差判定勝利を収め、新チャンピオンとなりました。
※この試合、バトラーが3ポンドもの体重超過をしたため、バトラーのタイトル挑戦権は失格となりましたが、ロドリゲスが勝った場合にのみタイトル獲得が認められるという条件で行われました。それでもロドリゲスはバトラーを圧倒しています。
※また、バトラーは2015年にゾラニ・テテとも対戦しており、8ラウンドTKOで敗れています。
一方のジェイソン・モロニーもここまで17戦全勝14KO、KO率はロドリゲスを上回る82%のハードパンチャーです。
2014年にプロデビューし、ほぼ同時期にデビューした双子の弟のアンドリュー・モロニーとともにオーストラリアで快進撃を続けてきました。
今年5月には元WBAスーパーフライ級王者の河野公平選手と戦い、6ラウンドにノックダウンを奪うなど内容では圧倒し勝利を収めています(結果は河野選手が有効打によりケガを負い棄権)。
プロフィールの数値では戦績も体格も拮抗していますが、オッズではロドリゲスの1.06に対し、モロニーは8.0。
王者ロドリゲスが圧倒的に優位とみられていますが、どうなるでしょうか?
この試合の勝者はWBSSトーナメントの準決勝に進み、井上尚弥選手と対戦することになります。
既に準決勝進出を決めた井上尚弥選手も現地視察へ
井上尚弥オーランドに出発 来春対戦のIBF王者視察 https://t.co/YreiKzEwNS pic.twitter.com/UG11T29O21
— ボクシングビート (@beat_macc) 2018年10月18日
海外YoutuberのMt.A氏による戦前予想
海外YoutuberのMt.A氏による試合予想を紹介します↓ ↓ ↓ 海外YoutuberのRRT BOXING with Mr.A氏が、10月21日(日※日本時間)に行われるIBF世界バンタム級タイトルマッチでWBSSバンタム級トーナメント1回戦、 エマニュエル・ロド ...
海外Youtuber "RRT BOXING with Mr.A"氏の「エマニュエル・ロドリゲスvsジェイソン・モロニー」戦予想【IBFバンタム級タイトルマッチ&WBSSⅡ1回戦】
両選手プロフィール
エマニュエル・ロドリゲス 選手のプロフィール
- 名前:Emmanuel Rodriguez
- 出身地:プエルトリコ
- 年齢:26歳
- ニックネーム:マニー(Manny)
- プロデビュー:2012年6月1日
- 身長:168cm
- リーチ:169cm
- 戦績:18戦、18勝(12KO)0敗(0KO)
- KO率:67%
- スタイル:オーソドックス
ジェイソン・モロニー 選手のプロフィール
- 名前:Jason Moloney
- 出身地:オーストラリア
- 年齢:27歳
- プロデビュー:2014年8月15日
- 身長:168cm
- 戦績:17戦、17勝(14KO)0敗(0KO)
- KO率:82%
- スタイル:オーソドックス
(※画像はWBSS公式Twitterから引用)
エマニュエル・ロドリゲス選手の過去試合動画
[2018年5月5日] 直近の試合(IBF世界バンタム級王座決定戦) vs ポール・バトラー戦
3ポンド体重超過のバトラーを圧倒し勝利。
[2016年6月3日] 3戦前の試合 vs アルベルト・ゲバラ戦
ジェイソン・モロニー選手の過去試合動画
[2018年5月19日] 直近の試合(WBAオセアニアバンタム級タイトルマッチ) vs 河野公平戦
元スーパーフライ級世界王者の河野選手からダウンを奪うなど完勝。