2018年4月15日(日)、WBA世界ミドル級タイトルマッチ
村田 諒太(帝拳) vs エマヌエーレ・ブランダムラ(イタリア)の試合が行われます。
会場は横浜アリーナ。
この試合の模様はフジテレビ系列で19時57分から生中継されます。
試合結果
〇村田 諒太(帝拳) 8RTKO エマヌエーレ・ブランダムラ(イタリア)×
序盤から逃げ回りながら村田選手に無駄打ちさせ、後半勝負にかける割り切った作戦のブランダムラに対し、落ち着いて左ジャブでコーナーに追い込み、強い右ストレートを撃ち込む村田選手でしたが、ブランダムラのガードが固く、なかなかクリーン・ヒットしませんでした。
しかし中盤以降は、ブランダムラが左に回り込むのに合わせてガードの外側から右フック、ブランダムラが止まれば左ジャブ&ボディーとパンチが命中するようになり、攻撃がうまく回りだしました。
8Rにはブランダムラのガードが一瞬下がったところに右フックがクリーンヒット。
ロープ際に逃げるブランダムラに追い打ちの右フックを打ち込み初のダウンを奪うと、ブランダムラは立ち上がったもののレフェリーが試合を続行する意思がないと判断し、村田選手のTKO勝ちとなりました。
試合後のコメント
村田 諒太選手のコメント
--試合を終えて
「みなさんもはよ、倒せよと思っていたかもしれないけど、僕自身も早くいきたいなと思っていて、いけなかった。ラッキーでした。」--初防衛に成功
「見られる立場で気が引き締まった。より自分と向き合う時間が多かった。」--世界へのアピールとなった
「もっといけよといわれるかもしれないけど、初防衛戦ということで及第点。(3団体統一王者の)ゴロフキンを目指してやりたい。
いまのままだったら勝てる気がしない。しっかり強くなりたい」
(サンスポ)
エマヌエーレ・ブランダムラ選手のコメント
「世界チャンピオンと拳を交えられたことに誇りを感じている。
村田選手は世界チャンピオンになるべくしてなった選手であるということが“あれ”で分かった。ジムでも彼の『右』を想定した訓練をかなり重ねてきた。
何時間も何時間も、彼の『右』対策に費やしてきた。
だけど、やっぱり(想像以上に)すごかった。」
(日刊スポーツ)
試合の見どころ
村田 諒太選手の初防衛戦があと3週間ほどに迫りました。
対戦相手はEBU(ヨーロッパボクシング連合、WBC傘下の欧州地域団体)チャンピオンのエマヌエーレ・ブランダムラ。
この試合は、米国の大手カジノホテル「MGMグランド」がスポンサーになることでも話題となっています。
村田選手がこの試合をクリアすれば、9月にはMGMガーデン・アリーナでのタイトルマッチの話も出ています。
インパクトのある試合内容を期待したいですね。
村田 諒太 選手のコメント
パワー型の僕と、テクニック型の対決。面白い試合になる
(日刊スポーツ)
--公開練習の内容について--
「(過去の公開練習では)一番良かったんじゃないですか。落ち着いてできているのが一番。無駄に詰めず、自分の距離で。
良いところを見せようとしてがーっと前に詰めて『あれれ』というのがあったりする。」--初防衛戦に向けての気持ちは?--
「初防衛戦の難しさの正体は、王者としての姿を見せたいと気持ちがはやり過ぎること。
だから圧倒しようと思わないこと。」
(日刊スポーツ)
ブランダムラ 選手のコメント
--試合に向けての意気込み--
「私はこの試合が私にとってだけでなく、イタリアボクシング界にとって歴史的なものであることを自覚しています。試合に向けてトレーニングは順調で、勝利に確信を持っています。
私と私のチームはこの最大のチャンスで成功を勝ち取るために何一つ心残りのないほど満足な準備ができました。」
--村田について--
「私は村田のことをよく知っており、彼を最大限尊敬しています。彼はロンドンオリンピックの金メダリストであり、あらゆる面で優れたファイターです。
しかし、私も彼と同等の能力を持ち合わせています。
ただ、村田を過小評価することがないのと同様に彼を過剰評価することもありません。
彼は日本ではエリートスポーツマンとして知られているようですが、それはイタリアでの私と同じことです。
全てはリングの中でジャッジされます。
私は全ての経験と技術を駆使して彼を上回ります。」
--日本で戦うことについて--
「私は日本行きや、他の国について学ぶことを楽しみにしています。多くのビッグマッチが開催された歴史的な場所で戦うことに興奮しています。
それがどこにあろうと気になりません。リングの中が私のホームです。
私は日本にも多くのファンを持っているので、ホームのように戦うことができるでしょう。」
--キャリアの中で印象的な試合は?--
「マッテオ・シグナニにスプリットディシジョン(2-1)の判定で勝利したことがこの世界戦につながりました。そして私の目標もより大きな目標に変わりました。
彼にアマチュア時代に負けた試合は、体力面でも心理面でも厳しいものでした。
マッテオはかなりタフで、ガンガン前に出てくる選手です。私とは大きく異なるスタイルで、簡単にスクラップにされてしまいました。」
「それから、マイケル・ソロとビリー・ジョー・サンダースに負けたことも私のキャリアの中で大きな転機でした。
私はその当時、欧州王者になる準備ができていなかった。
サンダースと対戦したとき、私は22戦無敗だった。
サンダースが才能のあるボクサーでトリッキーなサウスポーであることは知っていたが、十分に勝てると考えていた。
しかし、8ラウンドにTKOで負けてしまった。
私は調子が良かったので、ポイント上では僅差だったと思う。ストップまではかなり競り合った内容だった。
その試合で、毎ラウンド、毎分、毎秒つねに集中しなければならないこと、決してガードを下げてはならず、ガードを下げれば負けにつながることを教わりました。」
(boxingmonthly.com)
両選手プロフィール
村田 諒太 選手のプロフィール
- 名前:Ryota Murata
- 出身地:日本
- 年齢:32歳
- 階級:ミドル級
- プロデビュー:2013年8月25日
- 身長:183cm
- リーチ:188cm
- 戦績:14戦、13勝(10KO)1敗(0KO)
- KO率:71%
- スタイル:オーソドックス
今回の初防衛戦では元欧州王者のブランダムラを迎え撃つこととなりました。
ブランダムラには2014年にサンダースとの対戦経験があり、今後の対サンダース戦へのバロメーターとなる試合といえそうです。
エマヌエーレ・ブランダムラ 選手のプロフィール
- 名前:Emanuele Felice Blandamura
- 出身地:イタリア
- 年齢:38歳
- 階級:ミドル級
- ニックネーム:スー(Sioux※スー族、ブランダムラのルーツ?)
- プロデビュー:2007年4月29日
- 身長:178cm
- 戦績:29戦、27勝(5KO)2敗(2KO)
- KO率:17%
- スタイル:オーソドックス
(※画像はBoxRecから引用)
ブランダムラはEBUタイトルを3度目の挑戦となった2016年に獲得。
1度防衛したのちタイトルを返還し、今回の世界挑戦権を手にしました。
このEBUタイトルはかつてビリー・ジョー・サンダースも戴冠していたことがあり、その時にブランダムラは挑戦者として戦っています(結果は8回KO負け)。
接近戦でコツコツ連打を当てて、ポイント勝ちする試合が多いです。
そのため、KO勝ちはわずか5回。体格でも村田選手より一回り小さく、村田選手に脅威を与える選手には思えないですね。
ただし、ブランダムラもイタリアに久々のベルトを持ち帰ろうと意気込みは相当でしょう。
イタリア生まれのミドル級チャンピオンというと、史上初かもしれません。
(ニノ・ベンベヌチはスロバキア生まれ、スンブ・カランベイも今後生れ)
ブランダムラの勝利は、イタリアにとっても歴史的な快挙となります。