2017年8月26日(日本時間27日)、元5階級制覇王者フロイド・メイウェザー 対 UFC2階級王者コナー・マクレガーの対戦がラスベガスのTモバイルアリーナで行われました。
試合は、ボクシングルール、Sウェルター級の12回戦で行われ、結果はメイウェザーが10ラウンド1分5秒TKOで勝ち。
プロ50勝目を27回目のKOで飾りました。
試合後の両選手のコメント
メイウェザーのコメント
私は正面からパンチを当てにいくつもりだった。
距離をとってカウンターだけを狙うこともできたが、ファンの為に打ち合うことを選択した。大きなショットでマクレガーを倒すつもりだった。
予想よりも時間がかかったが、確実にノックアウトを狙っていった。21年間の間には、デッドヒートした試合も退屈な試合もあったが、私はいつも相手を分析し、ゲームプランに従ってきた。
マクレガーのパワーは強かった。
2年間のブランクについて「昔の強さはもうない」だの言われたが、それは違う。
でなければ試合を受けることもなかっただろう。試合を見た人は私がマクレガーの頭を打ちのめし、倒すことができたことを理解しているだろう。
私も倒して終わりたかった。マクレガーは多くのラビットパンチを打ってきた。
何度も後頭部をパンチされている。
それだけが心配した点だった。
マクレガーのコメント
序盤はパンチを出せて、自分のペースだったが、彼に脱帽だ。
あんなにパワフルでスピードがあるとは。本当にすごいボクサーだ。
ラウンドを追うごとにパンチが強くなっていった。
さすがだ。50戦50勝の数字が物語るボクサーだと思う。
何も言えない。しかし、接戦だったと思う。
首と顎にパンチを当てた。
(10Rについては)ダメージではなく疲労で足が止まっただけ。
できれば戦い続けたかった。
試合内容
WBO世界ライトフライ級タイトルマッチ
〇フロイド・メイウェザー 10RTKO コナー・マクレガー×
3Rまではマクレガーのパンチの軌道や動きを分析していたというメイウェザー。
4Rから攻勢に出ると、以降はマクレガーの体力の消耗もあり、明確にメイウェザー優位のラウンドが続きました。
9Rにはメイウェザーの連打にマクレガーは対応できなくなり、足をふらつかせタックルのようなクリンチでしのぐ苦しい展開に。
10Rには一方的に打たれてロープに追い込まれるとレフェリーがストップし、メイウェザーのTKO勝利となりました。
メイウェザーの2年間のブランク、マクレガーとの体格差やパワー、MMAとボクシングの間合いの違いなど、メイウェザーにとっても少なからぬリスクはあったはずですが、メイウェザーのプラン通りの結果となりました。
マクレガーも2Rまではメイウェザーの顎すれすれをかすめるような、あわやというアッパーもありました。
3Rには勝負に出てメイウェザーをロープ際に追いつめましたが、ことごとくかわされてしまいました。
プロモーションツアーでは盛り上げたマクレガーだったが…
7月11日からLA、トロント、ニューヨーク、ロンドンの世界4大都市を4日連続で回って行われた記者会見ツアーでは、双方マイクを通じてトラッシュトークのバトルを繰り広げました。
これも面白かった。(DAZNに記者会見ツアー全編のアーカイブがあります。)
マイクでは多くの観客を味方に付けたマクレガーが圧倒し(ラッパーみたいな貧乏くさい服着やがってとか、50centみたいに自己破産する気かこの脱税野郎とか、ペニス頭野郎とか、メイウェザーがディスられまくっていた)、番狂わせの期待も膨らみましたが、やはりボクシングではそうはいかなかった。
メイウェザーは4回の会見の冒頭で「ハードワーク!ハードワーク!労働者は何をしてるんだ?」
と繰り返し叫んでしましたが、あれはどういう意味だったのか?
ろくに働かないイギリス人労働者を皮肉っていたのか、あるいは「イージーな試合で大金を稼がせてもらうぞ」、とでも言いたかったのか。
とにかく試合内容は、メイウェザーが言っていた通り、(特に4R以降は)メイウェザーがマクレガーを圧倒する展開となりました。
日本ではDAZN独自配信
今回この世紀のビッグマッチがテレビではなく、日本ではネット配信のみの放送となったことも事件でした。
これまでテレビではカバーしきれなかった世界各地のボクシングイベントが、今後はネットで見られるようになる日も近いのかも知れません。
メイウェザーはこの試合で再度引退を表明
記者会見ツアーでは、「MMAでマクレガーと再戦してもいい」といった発言もありましたが、再び金銭的な危機に陥らない限り、まずないでしょう。
メイウェザーは今後について以下のように発言しています。
我々はすべてのペイパービュー記録を破った。
メイウェザーvsパッキャオ戦の記録も破った。しかし、もうリング上で私を見ることはないでしょう。
私はトレーナーであることを楽しんでいる。
ファイターをよりよくしたいと思っているし、彼らにリングの中と外でスーパースターになる方法を伝授したい。今、とても気分がいい。
本当はリングに戻ってくる必要はなかった。私は愚かではない。
ただ36分で350万ドルを稼ぐチャンスがあればそれをやるだけ。
しかしもう戻らない。