2019年5月19日(日)、IBF世界バンタム級タイトルマッチであり、WBSSバンタム級トーナメント準決勝となる、
井上 尚弥(大橋) vs エマニュエル・ロドリゲス(プエルトリコ)の試合が行われます。※WBAタイトルは今回は外れました。
会場はイギリス、スコットランド、グラスゴーのザ・SSE・ハイドロです。
昨年11月にドネアとバーネットがWBSS一回戦の試合を行ったのと同じ会場ですね。
この試合の模様は、WOWOWプライム「エキサイトマッチ」で19日午前4時30分から生中継されます。
同イベントでは、同じくWBSSのスーパーライト級トーナメントの準決勝、ジョシュ・テイラー vs イワン・バランチクのIBF/WBCシルバータイトルマッチも予定されています。
朝が早いですが、お見逃し無く!
試合結果
〇井上 尚弥(大橋) 2RKO エマニュエル・ロドリゲス(プエルトリコ)×
試合後のコメント
井上尚弥選手のコメント
「常に平常心という気持ちを持って英国に乗り込んできた。そのとおりに今夜はパフォーマンスを出せてホッとしてます」
≫ロドリゲスについて
「凄くプレッシャーをかけてきて、1回が終わった時はどうなるかと予測できない状態でした」
≫日本から多くのファンが駆け付けたが
「凄くホーム感を感じて、後押ししてくれた会場なので、このグラスゴーは凄く思い出深い会場になりました」
≫決勝で戦うノニト・ドネアについて
「ノニトは凄くキャリアもあって、凄く強い選手なので、これからどう戦うか練っていきたい。
憧れていた選手なので、決勝で戦えるのを光栄に思います」
(スポニチ)
エマニュエル・ロドリゲス選手のコメント
「わが同胞へ、勝利をもたらすことはできなかった。
言い訳の余地はない。これまでにないトレーニングを積んできたのだから。
準備は最高だった」
「敗北は誰にとっても痛いものだ。
しかし、我々は止まらない。これが終わりでないのだから」
(日刊スポーツ)
試合開始早々は、ロドリゲスの右ストレート、左ジャブが井上選手の顔面をとらえます。
先行きが少し心配になりましたが、ラウンド中盤以降になると、井上選手はスウェーやバックステップ、そして横に回りこんでロドリゲスのパンチをことごとくかわし、逆に今度は井上選手の強打がロドリゲスの顔面をとらえ始めます。
そして2R開始直後、井上選手のワンツーがロドリゲスの顔面を強打すると、さらに、そのすぐ後の打ち合いでも井上選手の強烈な左フックがクリーンヒット!
このダメージでロドリゲスが崩れ落ちるように倒れ最初のダウンを奪います。
立ち上がるもダメージが明らかなロドリゲスに対し、今度は井上選手のボディーのワンツーが突き刺さり、ロドリゲスたまらず2度目のダウン。
さらに立ち上がったロドリゲスでしたが、井上選手のラッシュに3度目のダウン。
レフェリーがそこで試合を止めました。
井上尚弥選手が2ラウンドKOでロドリゲスを下し、IBF世界バンタム級タイトルの新チャンピオンとなりました!
なお、この勝利でリングマガジン・ベルトも獲得、WBAタイトルの2度目の防衛も承認されます。
いやーすごいKOでしたね。ここまで圧倒するとは思いませんでした。
ロドリゲスも「井上の過去の対戦相手と違う」とばかりに、積極的に前に出て打ち合いましたが、結果はやはり同じでした。
計量の結果 ※バンタム級リミット118lbs(53.5kg)
前日計量は、両者ともにリミット以下で計量パス。
当日計量も両者リミット以下でパス。
※IBFは通常の前日計量に加え、リミット+500gを上限とする当日計量を義務付けている。
井上 尚弥 | 当日計量:126.77 lbs(57.5 kg) 前日計量:117.73 lbs(53.4 kg) |
---|---|
エマニュエル・ロドリゲス | 当日計量:127.43 lbs(57.8 kg) 前日計量:117.73 lbs(53.4 kg) |
※1kg=2.20462ポンド、1ポンド=0.453592kg
計量パス‼︎
明日、負ける気がしねぇ。。
応援宜しくです‼︎ pic.twitter.com/j0rpirbRWm— 井上尚弥 Naoya Inoue (@naoyainoue_410) 2019年5月17日
井上 尚弥選手のコメント
2019年5月18日 当日計量後のコメント
≫IBF独自ルールの当日計量について
「朝の散歩がてらという感じですね」
≫コンディションは?
「コンディションはヤバイですね。いつも以上のパワーを発揮できると思います。勝ち方はどうであれ、絶対に勝利をつかみたいと思います」
(日刊スポーツ)
2019年5月15日 公式記者会見でのコメント
≫ロドリゲスの印象は?
「IBFチャンピオンとしてロドリゲスの実力を評価しています。周りの予想、オッズのようだとは思っていないです」
「(体重を)結構、絞っている印象。気合も感じましたね」
≫今回もKOを狙うか?
「KOを狙っていきたい。ロドリゲスは素晴らしい選手ですが、KOチャンスをつかみたい。
流れの中で狙っていきたい」
≫日本人は欧州で臨んだ世界戦で未勝利だが
「実力なのか、時差、環境が日本人に合わないのか。環境の違いは大きいと思います。
ベストコンディションに仕上げるのが難しいでしょうし」
(日刊スポーツ)
FACE-OFF: @naoyainoue_410 & @ERodriguezManny go head-to-head at today's Final Presser!! 🔥🔥🔥#InoueRodriguez 🏆 #AliTrophy pic.twitter.com/r9OV0TYVxP
— World Boxing Super Series (@WBSuperSeries) 2019年5月15日
2019年5月14日 公開練習後のコメント
「調子はいいので、試合が待ち切れない」
「土曜日にはロドリゲスをKOできれば。何ラウンドになるかは分かりませんが、KOは遅かれ早かれ起こると思います。
みなさんが自分に何を期待しているかは分かっています」
(日刊スポーツ)
2019年4月9日 スパーリング後のコメント
≫昨年9月にWBO世界フェザー級王座に挑戦したジェネシス・セルバニアとのスパーリングを終えて
「髪形も身長もロドリゲスに似ているのでイメージしやすい。やりたいことを確認していきたい」
≫4月10日には26歳の誕生日を迎える
「26歳か、と。人生はまだまだですが、ボクサーの26歳は体のケアを含めて考えないといけない年齢。
筋肉の回復とか違いますし、今までは漠然とやっていましたが、サプリメントにも気を遣うようになりました」
(日刊スポーツ)
エマニュエル・ロドリゲス選手のコメント
2019年5月16日 公式記者会見後のコメント
「私は新しいコーチのウィリアムと一緒に作り上げた試合プランを信頼している。」
「我々の化学反応をみんなに見てもらいたい。
これは私が劣勢と見なされる初のファイトだ。その分モチベーションは高い。
我々はプエルトリコのボクシングが輝き続けることを知らしめたい。」
(WBSS公式サイト:トレーナー:井上はモンスターじゃない。ロドリゲス:これは戦争だ!)
🗣️ Trainer: "@naoyainoue_410 is not the ‘Monster’, @ERodriguezManny is - This is war!" 🔥
📝 Full story: https://t.co/rYomHs2Pcf#InoueRodriguez 🏆 #AliTrophy pic.twitter.com/U0AHH44w2N
— World Boxing Super Series (@WBSuperSeries) 2019年5月16日
2019年5月4日 boxing247のインタビュー
「ずっとこの時を待ち望んでいた。
私はいつもベストの選手と戦いたいと思っていた。そして今、ボクシングライターやファンからベストと評されるボクサーと戦う機会を得た。
それは私やチーム、プエルトリコのボクシング界にとっても大きなモチベーションになる。私は勝利をつかむ。プエルトリコがスコットランドの地で輝くだろう。
全ての面において私は自信を持っている。
アリ・トロフィーを遠いプエルトリコの地にきっと持ち帰ってみせる」
(boxing247.com)
試合の見どころ
井上尚弥選手がWBSSバンタム級トーナメント準決勝を迎えます。
2018年にSフライ級からバンタム級に階級を上げた井上選手は、5月にいきなりの世界挑戦で長身のWBA王者ジェイミー・マクドネルを滅多打ちにし、1ラウンド1分52秒でマットに沈めると、10月にはWBSSバンタム級トーナメントに参戦、元WBAスーパー王者のファン・カルロス・パヤノと戦った1回戦を、1ラウンド1分10秒右ストレート一閃のKO劇で終わらせました。
バンタム級でもそのパワーが通用すると証明した井上選手の世界的評価が高まる中、昨年ノニト・ドネアとライアン・バーネットが戦ったスコットランドはグラスゴーの会場で、同じく準決勝に勝ち上がったIBFチャンピオンのエマニュエル・ロドリゲスと対決します。
初戦をあっという間のKOで勝ち上がった井上選手に対し、一方のロドリゲスは、初戦の相手ジェイソン・モロニーのペースの落ちないフットワークとボディーショットに終盤まで苦しめられ(逆にロドリゲスも強烈なボディーショットを返し、モロニーにペースを譲りませんでしたが)、僅差の判定勝利となりました。
技術面で評価の高いロドリゲスは、ベタ足気味のフットワークで、多くのテクニカルな選手のようにフットワークを駆使することはありませんが、べた足を生かした安定感のある体幹から生まれる回転が速く精度の高いパンチと鋭いストレートは見た目よりもパワフルで、多くのノックダウンを生み出しています。
ディフェンス面では、少ない動きで相手のパンチをかわす見切りの良さが目を引きます。すぐさま返す切れ味鋭いカウンターは、一発で倒すまでのパワーこそないものの、その精度と相まって試合を方向付けるほどのダメージを与える危険なパンチです。
井上選手が1回戦同様に瞬殺KOで決勝に勝ち上がるといった予想も多いようですが、次の相手ロドリゲスは同世代の紛れもない世界トップクラスのバンタム級チャンピオンなので、攻防の移り変わりが目まぐるしいスリリングな展開も十分に予想されます。
4月27日には準決勝のもうひと試合であるドネアとテテの試合がすでに予定されており、決勝の相手が決まった状態で臨む試合となります。
今回の舞台はボクシング発祥の地スコットランドとなりますが、欧州では日本人の世界戦は未勝利、17連敗中です。
この不名誉も晴らしてほしいですね。
なお、この試合の勝者には米国で最も権威のあるボクシング専門誌「ザ・リング」の認定ベルトが与えられることが決まりました。
井上&ロドリゲス グラスゴーで行われるWBSS準決勝で現在空位のリング誌ベルトがかけられる
さらに、もし井上選手がトーナメントで優勝した場合、トップランク社との契約が内定しているそうです。
井上尚弥 WBSSトーナメントで優勝した場合、トップランクと契約か
井上選手はロドリゲスを倒し、WBSSトーナメント決勝に勝ち上がることができるでしょうか?
【海外翻訳】井上尚弥 vs エマニュエル・ロドリゲス フィルムスタディー&試合予測
【海外翻訳】井上尚弥 vs エマニュエル・ロドリゲスの試合予測【ロドリゲスが有利?その根拠とは?】
海外Youtubeチャンネルの「Fouts Boxing Theory」で5月19日(日)に行われる井上尚弥 vs エマニュエル・ロドリゲスの試合予測動画が上がっていたので、その内容を大雑把に紹介しま ...
両選手プロフィール
井上 尚弥
- 名前:Naoya Inoue
- 出身地:日本
- 年齢:26歳
- ニックネーム:怪物(Monster)
- プロデビュー:2012年10月2日
- 身長:165cm
- リーチ:171cm
- 戦績:17戦、17勝(15KO)0敗(0KO)
- KO率:88%
- スタンス:オーソドックス
「準決勝では劇的なショーを見せるつもりだ。」
エマニュエル・ロドリゲス
- 名前:Emmanuel Rodriguez
- 出身地:プエルトリコ
- 年齢:26歳
- ニックネーム:マニー(Manny)
- プロデビュー:2012年6月1日
- 身長:168cm
- リーチ:169cm
- 戦績:19戦、19勝(12KO)0敗(0KO)
- KO率:63%
- スタンス:オーソドックス
(※画像はBoxRecから引用)
井上尚弥選手の過去試合動画
[2018年10月7日] WBSS1回戦の試合動画(WBA世界バンタム級タイトルマッチ) vs ファン・カルロス・パヤノ戦
試合開始1分10秒での鮮烈なKO劇。世界に向けて大きくアピールした
[2018年10月20日] WBSS1回戦の試合動画(IBF世界バンタム級タイトルマッチ) vs ジェイソン・モロニー戦
モロニーの頑張りとボディーショットに苦戦したものの、モロニーにペースを与えなかった。