2018年11月3日、WBAスーパー世界バンタム級タイトルマッチ、そしてWBSSⅡバンタム級トーナメント1回戦の
ライアン・バーネット(イギリス) vs ノニト・ドネア(フィリピン)の試合が行われます。
会場はザ・SSE・ハイドロ(英国、スコットランド、グラスゴー)
現在のところ(2018年10月25日)この試合の日本での放送&配信予定はありません。
試合結果
〇ノニト・ドネア (フィリピン) 4RTKO ライアン・バーネット(イギリス)×
※4R途中、バーネットが後ろに下がるドネアを追うように体をひねってパンチを放ったところ腰を負傷。ラウンド終了まで続けたものの、インターバル中にレフェリーがこれ以上続行不可能と判断し、試合終了を宣告。
ドネアのTKO勝利となった。
バーネットはこの試合で攻防ともに能力の高さを見せていました。
ドネアの連打をかいくぐって右の強いオーバーハンドやアッパーを打ち込みドネアを後退させる場面も作りました。
一方のドネアもボディーを中心に攻め、何度かバーネットをコーナーに追い込んで左フックや右ストレートを打ち込むなど、3Rまではほぼ互角の展開で、いよいよ試合が面白くなるところだったので、負傷によるTKOという結果は非常に残念でしたね。
とにかくノニト・ドネアがライアン・バーネットを4ラウンドTKOで下し、WBAスーパー新チャンピオンとなりました。
試合後のコメント
ノニト・ドネアのコメント
「勝つことは勝てたが、この勝利は本来バーネットのものだった。彼は素晴らしいファイターだ。
とてもスピードがあり、力強さもあった。私の調子はいつも通り良く、勝利を目指して戦った。
私のスピードはまだ衰えていない。年齢はただの数字でしかない。」
(boxingnewsonline.net)
計量の結果 ※バンタム級リミット118lbs(53.5kg)
両者ともにリミット以下で計量パス。
ライアン・バーネット | 117.8 lbs(53.43 kg) |
---|---|
ノニト・ドネア | 117.7 lbs(53.38 kg) |
※1kg=2.20462ポンド、1ポンド=0.453592kg
7年ぶりにバンタム級までウェートを落としたドネアでしたが、映像を見る限り笑顔も出ていてコンディションもよさそうでした。
バーネットも気合が入ってましたね。広背筋の仕上がり具合が目を引きました。
試合の見どころ
昨年6月に当時IBF王者のリー・ハスキンスを破り初の世界タイトルを獲得したライアン・バーネット。
同年10月には当時WBAスーパー王者のザナト・ザキヤノフも判定で破って統一王者となりました。
※現在はIBFタイトルを放棄しWBAスーパータイトルのみ保持している。
このバーネットに挑戦するのは5階級制覇王者のノニト・ドネア。長らく世界戦線で活躍してきたベテラン選手です。
オーソドックス(右利き)同士の対戦となります。
体格では身長、リーチともにドネアが上回っています。
ライアン・バーネット | ノニト・ドネア | |
---|---|---|
身長 | 163cm | 171cm |
リーチ | 168cm | 173cm |
長い距離での打ち合いでは俄然ドネアが有利でしょう。
バーネットは中間距離よりも短い距離で戦う必要がありますが、それには自ら前に出ていかなければなりません。
初タイトルを獲得したリー・ハスキンス戦では、横に動き回るハスキンスに対し、空手のような縦の直線的な動きで鋭くジャブを突いたり、大ぶりの左フックを振りながら距離を縮めて接近戦に持ち込み、ロープ際に追い込んでボディーを連打しハスキンスの体力を削って試合を優位に運びましたが、バーネットが勝つとすればそのような展開になるのではないでしょうか。
しかしドネアも接近距離では危険な左フックや右アッパーを持っています。
スーパー・バンタム級やフェザー級ではドネアの決めパンチが受け止められて、逆にカウンターをもらってしまっていました。
とはいえ依然としてドネアのカウンターの切れやスピードは健在です。
現にフランプトンやニコラス・ウォータースにも何度もクリーンヒットさせています。バンタム級では決定打となりえるパンチです。
カウンターの打ち合いでも、スピード・破壊力・的中率いずれもドネアが優位ではないでしょうか。
しかし、現在のオッズは若く登り調子の無敗王者バーネットが断然人気となっています。ドネアのが直近のカール・フランプトン戦で完敗した影響もあるかもしれません。
ライアン・バーネット | ノニト・ドネア | 引分け |
---|---|---|
1.13 | 5.80 | 19.00 |
個人的にはドネアが勝つ展開ばかりが思い浮かぶのですが、ファンゆえのひいき目かもしれません。
それからドネアにはいくつかの不確定要素があります。
35歳という年齢もそうですが、ドネアは2階級体重を落とすことになります。脂肪だけでなく筋肉も落とす減量がうまくいくかどうか。
ちょっと気になる噂が。 ノニト・ドネアがWBSSバンタム級トーナメントを出場辞退するかもしれないという。一部ドネアの調整がうまくいっていないという噂も出回っています。
【気になる噂】ノニト・ドネアWBSS出場辞退か?
たとえ減量ができたとしても、スピードや切れ、パンチ力を維持できるかという不安もあります。
調整がうまくいき、バンタム級時代のドネアが戻ってくればバーネットは相当苦しめられると思いますが、どうなるか?
※11月2日追記:計量は無事クリアしました。さすがですね。
いずれにしろバーネットはかなりの難敵をチョイスしましたね。
上り坂の若い王者バーネットがベテランのレジェンドを踏みつぶして更に上に上がっていくのか、はたまたベテランが無敗王者を蹴散らしてもう一花咲かせるのか。
非常に楽しみな試合です。
両選手プロフィール
ライアン・バーネット 選手のプロフィール
- 名前:Ryan Burnett
- 出身地:イギリス
- 年齢:26歳
- プロデビュー:2013年5月24日
- 身長:163cm
- リーチ:168cm
- 戦績:19戦、19勝(9KO)0敗(0KO)
- KO率:47%
- スタイル:オーソドックス
ノニト・ドネア 選手のプロフィール
- 名前:Nonito Donaire
- 出身地:フィリピン
- 年齢:35歳
- ニックネーム:(The Filipino Flash)
- プロデビュー:2001年2月22日
- 身長:171cm
- リーチ:173cm
- 戦績:43戦、38勝(24KO)5敗(1KO)
- KO率:56%
- スタイル:オーソドックス
(※画像はBoxRecから引用)