2019年12月23日(月)、WBA世界ミドル級タイトルマッチ
村田諒太(帝拳) vs スティーブン・バトラー(カナダ)の試合が行われます。
会場は横浜アリーナ
この試合の模様はフジテレビ系列全国ネットで23日夜19:00から生中継されます。
なお、このイベントではWBCライトフライ級タイトルマッチ 寺地拳四朗 vs ランディ・ペタルコリン、
IBFフライ級タイトルマッチ モルティ・ムラザネ vs 八重樫東 戦、
それからロマゴンことローマン・ゴンザレスの1年3カ月ぶりの復帰戦も予定されています。
こちらも楽しみですね。
試合結果
〇村田諒太(帝拳) 5RTKO スティーブン・バトラー(カナダ)×
バトラーはもっと足を使ったボクシングをするかと思いましたが、やはりKO率85%のバトラーはパンチに自信があったんでしょう、意外にも真っ向からに打ち合いを選択しました。
しかしこの試合、両者のディフェンス力の差が如実に出ることになりました。
バトラー得意の右は村田選手の左腕の硬いガードに阻まれ、ほとんど当たりませんでした。
バトラーはもっと当たると予想していたんじゃないでしょうか。バトラーは徐々に攻め手を欠くことに…
一方、バトラーは村田選手のワンツーやボディーを防ぎきれず、特に接近戦ではオーバーハンドの右フックを何度も連打でもらってしまいました。
それでも何発か当たったバトラーの右のダメージで、試合後村田選手の左目あたりは赤く腫れており、バトラーのパンチ力はうかがえました。
スピード差も村田選手のプレッシャーの強さと、プレスのうまさであまり感じませんでした。逆にハンドスピードでは村田選手の方がやや上回っているように見えました。
ラウンドが進むごとに、村田選手のボディーやワンツーの的中率がまし、バトラーのダメージは積み重なっていきました。
そして5ラウンド終盤、村田選手の右フックがバトラーのテンプルをとらえると、バトラーがふらつきクリンチしかけたところに追い打ちの右、
さらに、バトラーのガードの上を数回たたいて体が右に流れたところに、とどめの左フックがバトラーの右顎を直撃し、この試合初のダウン。
それまでのダメージの蓄積を見てレフェリーが試合をストップしました。
5ラウンド2分45秒、村田諒太選手がTKOで初防衛に成功しました!
オリンピックイヤーの来年、村田選手のビッグマッチが期待されます。
試合後のコメント
村田諒太選手のコメント
「息子(晴道くん)に、次の試合に行きたいから負けないでと言われていた。約束を果たせた」
「自分のボクシングをやっと確立できた」
「ブラント1戦目もラスベガスでモチベーションが高かった。ただ対策がなく中身がなかった。しっかり練習で中身を詰める作業が大事だった」。
「(井上)尚弥の試合を見て思うでしょうけれど、やっぱりリアルと戦いたい」
「ロンドン五輪の8年後なんて無理やぞと思っていたらやっていました。
東京が盛り上がっているので花を添えられるように」(日刊スポーツ)
試合前:村田諒太選手のコメント
2019.12.12 公開練習後のコメント
「今回は(試合の)中身。そこに集中する。
世界へアピールなどという気持ちになってブラントに負けている。同じ轍(てつ)は踏まないように」「モチベーション、夢、東京ドームとか言い始めると中身がない。
モチベーションとは大きな目標。そこを見ると足下が見えなくなる」
(サンスポ)
試合前:スティーブン・バトラー選手のコメント
「私は(WBOの)指名挑戦者だったので、自然な流れでアンドレーデとの対戦に向け交渉していた。
その最中、村田陣営が私と対戦したいと指名してきた。
これは村田にとって大きな間違いだ。
村田から直々に指名されたことは侮辱とも受け取られる。
このことは私に更なるモチベーションを与えている。村田は正面からの打ち合いにチャンスを見出そうとするだろうが、私はアングルを付けてパンチを打ち込むことができる。
そういった展開になれば足を使って追いかける必要がないので最高だが、村田が他の作戦を打ってきても対応できるようにキャンプで準備している。多くのボクサーは金銭面で試合を選ぶが、我々は金のことは気にしない。
勝つ自信があるからこの試合を受けた。
金は後からついてくる。日本での記者会見では日本の人々は私に敬意をもって接してくれた。
しかし、試合後には私により大きな敬意を持つことになるだろう。それが待ちきれない。このレベルの戦いになると安心はない。私はノックアウトをしに行く。ジャッジの判定にゆだねることはない。
それがボクサーとしての私の生き様だ。」
(TVA Sports)
War ready 🐅🔥 @EOTMVD
戦争準備 🐅🔥 pic.twitter.com/27ehnSisRn
— Steven Butler (@BangBangButler) December 10, 2019
試合の見どころ
WBAミドル級チャンピオンの村田諒太選手が2度目の防衛戦に臨みます。
前回はロブ・ブラントとの再戦を2ラウンドKOで勝利し、ベルト奪還を果たした村田選手。
今回は、ランキング9位のスティーブン・バトラーの挑戦を受けます。
WBAランキングは9位ですが、WBOランキングは1位につけている実力者で、WBOチャンピオンのデメトリアス・アンドレーデとの指名試合の交渉の最中に、村田陣営からオファーを受け、バトラーは村田選手への挑戦を選びました。
つまり、村田選手がバトラーを選んだ一方、バトラーもアンドレーデより村田選手がくみ易しとしてこの試合を選んだとも言えます。
24歳のバトラーは、プロキャリアでは村田選手の倍近い30戦を地元カナダを中心に戦っており、戦績は28勝1敗1引き分け。
28勝のうち24KO勝ちとなかなかの倒し屋です。
型(かた)にはまれば鋭く伸びのあるストレートを軸にしたコンビネーションで一気に効かせて倒す力をもつバトラーですが、技術的にはまだ発展途上の選手で、なかでも接近戦を苦手としており、近い距離での打ち合いではパワーに欠け、また被弾も多く、クリンチ際にパンチをもらってぐらつく場面もまま見受けられます。
順当ならば村田選手が勝つと思いますが、ミドル級の層が厚いカナダでトップに位置し、倒し方を知っているバトラー油断はできない相手。
どんな試合展開になるでしょうか!?
両選手プロフィール
村田 諒太
- 名前:Ryota Murata
- 出身地:日本
- 年齢:33歳
- プロデビュー:2013年8月25日
- 身長:183cm
- リーチ:184cm
- 戦績:17戦、15勝(12KO)2敗(0KO)
- KO率:70.59%
- スタンス:オーソドックス
スティーブン・バトラー
- 名前:Steven Butler
- 出身地:日本
- 年齢:24歳
- ニックネーム:バン・バン(BANG BANG)
- プロデビュー:2014年3月28日
- 身長:183cm
- 戦績:30戦、28勝(24KO)1敗(1KO)1分
- KO率:80%
- スタンス:オーソドックス
(※画像はBoxRecから引用)
村田諒太選手の過去試合動画
[2019年7月12日] 直近の試合動画 vs ロブ・ブラント戦(再戦)
第一戦から一転、被弾しても前に出続け持ち前のパンチ力でブラントを圧倒、2ラウンドでベルト奪還を決めた。
スティーブン・バトラー選手の過去試合動画
[2019年9月26日] 直近の試合動画 vs ポール・バレンズエラ・ジュニア戦
Steven Butler met Paul Valenzuela fils K.-O. en quelques secondes!
1ランド開始早々、左のショートストレート一発で試合を決めた。