2019年8月24日、WBO世界フライ級タイトルマッチ
田中 恒成(SOUL BOX畑中) vs ジョナサン・ゴンザレス(アメリカ)の試合が行われます。
会場は愛知県、名古屋市の武田テバ・オーシャンアリーナ
この試合の模様はCBC(TBS)系列で24日午後16時から生中継されます。
試合結果
〇田中 恒成(SOUL BOX畑中) 7RKO ジョナサン・ゴンザレス(アメリカ)×
試合後のコメント
田中恒成選手のコメント
見事なチャンピオンの防衛でした。おめでとうございます。
田中:応援ありがとうございました。ちょっと疲れました。
ゴンザレスはスピードがあってうまくて、ちょっと(対策が)上手くいかなかった。
苦しい展開でしたが、何とかKOできて良かったです。サウスポーのスピードマスターに対しての対策を色々やってのだったと思います。
田中:上手くいかなかったですね。内容は最悪です。
ただ、オリンピックを目指すお兄さんがサウスポーということで家族を上げての勝利ともいえるんじゃないですか?
田中:兄の協力には本当に助けられました。今回の勝利は兄…じゃなくて母方のおじいちゃんが最近亡くなったので、おじいちゃんに捧げたいと思います。
日本人対決もすごかった、また新たな勝ち方を見せてくれたような気がしますが。
田中:自分のボクシングが弱かったので、納得がいかないですけどまたがんばります。
次の目標へ向けて一言
田中:何も決まってないですし、特に今はしたいこともないので、いい舞台を作ってくれることを願っています。
ジョナサン・ゴンサレス選手のコメント
「最初から手数を出して狙い通りに進んでいたが、田中のボディー攻撃は想定外で対応できなかった」
(サンスポ)
試合内容
究極のスピード対決と題されたこの試合、序盤はなかなか互いのパンチが当たらない展開が続きました。
ゴンザレスはハンドスピードが速く、接近距離での打ち合いではやや優位に見えました。
特に田中選手のパンチの打ち終わりに左フックを狙ってましたね。
ただ、上のパンチには反応できていたゴンザレスも田中選手のボディー打ちには反応できていませんでした。
3Rにはゴンザレスの右フックをダッキングでかわしながらカウンターで見舞ったボディーがクリーンヒットし、田中選手が初のダウンを奪いました。
決着が早いかと思われましたが、続く4Rにはコーナーでの打ち合いで今度はゴンザレスの左フックが当たり逆に田中選手がダウンを奪われます。
続く5、6ラウンドは打っては動きまわるゴンザレスを田中選手が捕まえきれず、試合は長引くかに思えましたが、その中でもコーナーポスト際で田中選手のボディーが何度かヒットし、ゴンザレスは少し苦しげな表情を見せていました。
そして7R打ち合いの中での田中選手のボディーブローに耐え切れず、ゴンザレスが2度目のダウン、立ち上がったゴンザレスでしたが田中選手がラッシュをかけ、4度目にゴンザレスがダウンしたところでレフェリーがストップをかけ、試合は終了。
田中選手がフライ級で2度目の防衛を果たしました。
試合前、スピードがテーマと田中選手は語っていましたが、試合はコーナーでの打ち合いの展開となり、結果的にパワーの差が勝負を決しましたね。
田中選手は試合後のインタビューで不満げでしたが、ゴンザレスがコーナーに引き込んで打ち合う作戦を取ったようにも見えたので、致し方ないでしょうね。
指名戦をクリアし、インタビューではやや燃え尽きた感じも見て取れた田中選手、次の大舞台を期待したいです。
試合の見どころ
田中恒成選手のフライ級2度目の防衛戦の対戦相手は、現在ランキング1位の指名挑戦者ジョナサン・ゴンザレスとなりました。
田中選手は初防衛戦の田口良一戦では、3ラウンドに田口選手の右フックを受けてらつく危ない場面も見せながらも、ポイントで大差をつけ判定勝利を飾っています。
今回の防衛戦に向け田中選手は、フライ級に上がりパワーに偏重したために被弾が増えたのを修正し、スピードに回帰することをテーマとしていると語っています。
「スピードへの回帰」を目指す田中恒成自分の良さを見つめ直し、取り戻す防衛戦
対するゴンザレスは、ニューヨークのブルックリンの生まれながら、プエルトリコに国籍を持つプエルトリカンボクサーです。
爆弾のニックネーム通り、コンビネーションの一発一発がパワフルでキレのあるパンチを持っています。
アマチュアでは17歳で世界ユース優勝、19歳で中米カリブ大会優勝など優秀な成績を残しています。
また、アマチュア時代に井岡一翔選手のスーパー・フライ級デビュー戦で戦った同じプエルトリカンのマックウィリアム・アローヨとも2度の対戦経験があり、1勝1敗の成績を残しています。
身長・リーチともに田中選手が上回っていますが、ゴンザレスはアマチュアでも126戦、プロでも田中選手の倍近い25試合を戦っており、キャリアでは経験では大きく上回っています。
どのような戦いとなるでしょうか?
田中 恒成選手のコメント
「スピードで圧倒して、必ずKOKOを狙います」
(日刊スポーツ)
ジョナサン・ゴンザレス選手のコメント
「スピードが同じなら、あとはインテリジェンス。いかにクレバーな試合ができるか。自分は世界戦は初めてだが、アマチュアなどで経験があり、それができる」
「田中はすごく戦闘的で、明日はウォリアー(戦士)同士の戦い。新しいチャンピオンが生まれる」
(日刊スポーツ)
両選手プロフィール
田中 恒成
- 名前:Kosei Tanaka
- 出身地:日本
- 年齢:24歳
- プロデビュー:2013年11月10日
- 身長:164cm
- リーチ:161cm
- 戦績:13戦、13勝(7KO)0敗(0KO)
- KO率:54%
- スタンス:オーソドックス
ジョナサン・ゴンザレス
- 名前:Jonathan Gonzalez
- 出身地:アメリカ
- 年齢:28歳
- ニックネーム:爆弾(Bomba)
- プロデビュー:2011年4月1日
- 身長:157cm
- リーチ:157cm
- 戦績:25戦、22勝(13KO)2敗(2KO)1分
- KO率:50%
- スタンス:サウスポー
(※画像はBoxRecから引用)
田中恒成選手の過去試合動画
[2019年3月19日] 直近の試合動画(WBO世界フライ級タイトルマッチ) vs 田口良一戦
ジョナサン・ゴンザレス選手の過去試合動画
[2018年11月16日] 直近の試合動画(WBO NABOフライ級タイトルマッチ) vs フアン・アレホ戦
[2018年2月23日] WBO NABOフライ級タイトルマッチ vs リカルド・ロドリゲス戦
井上尚弥選手のスーパーフライ級4度目の防衛戦の挑戦者だったリカルド・ロドリゲスにも僅差ではあるものの判定で勝利を収めた。