12月17日、現在WBCSフェザー級ランキング1位の三浦隆司選手が、同級3位のオルランド・サリド選手(Orlando Salido/メキシコ)とWBC世界Sフェザー級の暫定王者をかけて対戦することが決まりました。
この試合はサリド選手負傷のため、中止となりましたが、2017年1月28日アメリカ・カリフォルニア州でミゲール・ローマン(同級2位)との挑戦者決定戦が行われることになりました。⇒試合の詳細
会場は先日亀海選手も試合を行った、カリフォルニア州イングルウッドのザ・フォーラムです。
三浦選手は、昨年11月に4度目の防衛戦でフランシスコ・バルガス(Francisco Vargas/メキシコ)に9回TKO負けを喫して王座から陥落、その後今年5月にフィリピンのジミー・ボーボンとの対戦を経ての世界再挑戦となります。
対するオルランド・サリドは、今年の6月に現王者バルガス初のタイトル防衛戦に挑戦して以来の試合となります(結果は僅差のドロー)。
この試合でバルガスは負傷、そのケガが長引き今回の暫定王者決定戦が行われることになりました。
(本当は薬物検査にビビってる?)
オルランド・サリドの戦績
オルランド・サリドのこれまでの戦績は、60戦して43勝(30KO)、13敗(5KO)、4引き分け
2010年5月に4度目の世界挑戦で、当時のIBFフェザー級王者クリストバル・クルスを倒し、初の世界タイトルを獲得、
その後、2度のタイトル獲得と、3度の王座陥落など、幾多もの世界タイトル戦を経て今日に至ります。
2015年のローマンマルチネス戦でWBOフェザー級タイトルから陥落してからここ2試合は、ローマン・マルチネスとの再戦、フランシスコ・バルガス戦いずれもドロー判定で、王座獲得に失敗しています。
ロマチェンコのプロ2戦目にして初の世界挑戦では、ロマチェンコを返り討ちにし(僅差の判定で、なおかつ最終ラウンドにダウン寸前まで追い込まれましたが)、
マイキー・ガルシア戦では判定負けはしたものの、ガルシアの鼻を頭突きでへし折るなど、
毎試合激闘で印象的な試合がとにかく多い選手です。
三浦選手をTKOで下したバルガスとの直近の試合では、最終ラウンドまで激しく打ち合い、互角の戦いをしました。
驚くのは、タイトルマッチを含めて激戦の連続で、しばしばダウンを喫しているにも関わらず、2000年1月以降46戦して1度もKO負けがないことです。
ずば抜けたテクニックもパワーもある選手ではないですが、スタイルとそれに合致した試合運びのうまさで、負けにくい誰もが苦戦する選手です。
相手がテクニシャンだろうとハードパンチャーだろうと、ガンガン打ち合いを挑んでくるサリドと三浦選手との試合はかみ合いそうで楽しみです。
頭を低くして突進しながら左右フックをボディ中心に振り回してくるのが基本スタイルで、スウェーのディフェンスもうまくて、なかなかクリーンヒントを当てさせてくれないうえ、時にラフファイトも辞さないサリドですが、三浦選手のKO勝利を期待したいです。
オルランド・サリドvsワシル・ロマチェンコ戦
WBASフェザー級王者ニコラス・ウォータースがワシル・ロマチェンコのWBO世界Sフェザー級タイトルに挑戦
11月26日には、WBO世界Sフェザー級王者ワシル・ロマチェンコがWBA同級王者ニコラス・ウォータースとWBOのベルトを掛けて対戦します。
会場はアメリカ・ネバダ州ラスベガスのコスモポリタンです。
両者フェザー級当時にも統一戦の噂がありましたが、ついにSフェザー級で実現することとなりました。
ロマチェンコは6月にローマン・マルチネスを5回KOで下し2階級制覇を達成、次戦がSフェザー級初の防衛戦となります。
対するウォータースは、昨年12月にジェイソン・ソーサと初の防衛戦をドロー防衛して以来、約1年ぶりの試合となります。
ワシル・ロマチェンコの戦績
ワシル・ロマチェンコ(Vasyl Lomachenko/ウクライナ)のこれまでの戦績は、7戦して6勝(4KO)、1敗(0KO)
プロ2戦目で挑んだ初の世界挑戦では、オルランド・サリドを最終ラウンドにKO寸前まで追い込みながら判定負けしたものの、
プロデビュー4戦目の2度目の世界挑戦で、当時のWBO世界フェザー級王者タイのチョンラターン・ピリヤピンヨー(Chonlatarn Piriyapinyo)に判定勝ちしタイトルを獲得しました。、
1度同タイトルを防衛したのち、Sフェザー級に階級を上げてプロ7戦目ではローマン・マルチネス(Roman Martinez/プエルトリコ)が持つWBOのタイトルに挑戦、
サリドと2度戦い2度とも互角の勝負をしたマルチネスに何もさせず、5回KOで圧勝し、早くも2階級制覇を達成しています。
ニコラス・ウォータースの戦績
ニコラス・ウォータース(Nicholas Walters/ドミニカ)のこれまでの戦績は、27戦して26勝(21KO)、0敗、1引き分け
ロマチェンコと同様、フェザー級、Sフェザー級の2階級制覇を達成しています。
特にリーチが長く、身長170cmに対しリーチが185cmあります(ロマチェンコは身長168cm、リーチ166cm)。
スピード・テクニック・パワーを併せ持つ、身体能力の高いボクサーです。
KO率も78%を誇ります。
今回統一戦とはなりませんでしたが、ともに負ける姿の想像がつかない両者の対戦なので期待が高まります。
ロマチェンコにウォータース、バルガスに三浦、サリドとSフェザー級戦線は日本人選手を含めた混戦模様で面白いですね。早くここに内山選手が復活してきて欲しいです。